企業にはコストカットが

今まで以上に求められる時代となりました。


一昔前のような「リストラ」の名の下に

何人首を切ったのかが誇られるような、

ほぼ魔女狩りのような

暗黒の時代は過ぎましたが、

早期退職やらなんやらで

やはり人員整理は企業にとって

避けては通れない道です。


正社員から派遣社員へ、

派遣社員からバイトへ、

と雇用体系も変わり、

正社員の給与も下げていく。


こうすると帳簿上の企業業績は上向きます。



しかし、企業の業績を生み出す

原動力となる社員の質って

給与に比例したりします。



そしてそれは軍事の世界も同じ。


イラク戦争後のイラク駐留や

アフガニスタンの駐留において、

米軍は主力でしたが、

より主力だった存在は民間軍事会社の社員。


言い方を変えればガードマンです。


日本のガードマンが

建設現場や契約先のビルなどを

ガードするのに対して、

こちらはテロリストから

輸送ルートや飛行場、施設などを守ります。


そのため、

「駐留米軍」の実数には記載されない、

米国出費の「銃を持って警備する人」は

相当数現地にいました。


そして、民間会社であるため当然玉石混合です。


西部劇でもよく名前が登場する

歴史的警備会社から、

イラク戦争後の傭兵バブルで

急遽設立された会社まで多数あるため、

米軍との契約を勝ち取るため、

利益を増すためには

人件費の削減が競って行われました。


途上国から多数の労働者が

イラクに入ったように、

途上国から日給千円程度で連れて来た

警備員も数万人規模でいました。


銃を持ったか建設機材を持ったかの

違いだけですが、

彼らも銃を携えイラクを歩くのですから、

現地で見れば「兵士」と変わりません。



超一流の傭兵から、

急遽連れてこられた

途上国の労働者的警備員まで。


こうなると一部モラルの欠片も無い

軍事オタクも当然混ざり、

遊び半分で現地人に発砲したりする

輩も登場しますし、

真面目に警備をしていても、

テロリストと一般人を

見分ける技術が無いために、

恐怖から発砲したりする者が続出します。


その結果が、イラクやアフガニスタンにおける

米軍駐留の評価ですから、

コストカットと「(正規の)駐留米兵」の削減、

には成功しましたが、

長期的に本当に成功したのか否かは

難しい問題です。


人件費のコストカット、

長期的成長戦略の一部であるかどうか、

軍事も民間も公務員も

冷静に見極める必要があります。