アイラ(Islay)島、

イギリス、スコットランドの西にある

わずかに人口3000人程度の島ですが、

ウィスキーについて語るときに

外してはいけない島です。


この島には8つの蒸留所がありますが、

そのどれもが逸品であり、

スコッチのモルトを語るときには

名前の挙がるウィスキーばかりです。


この島のスコッチの特徴はなんと言っても

強いピート香とスモーキーさです。


島南部にある

「ラフロイグ」「ラガヴーリン」「アードベッグ」は

この島を代表するモルトであり、

それを表すように

どれもアイラモルトの特徴を前面に出した

好みの分かれる強いウィスキーです。


この「アイラ3兄弟」に比べると穏やかなのが

アイラ島西部にある湾に面した3つの蒸留所。


女性的な優しさを持つ「ポート・エレン」

アイラ入門モルトと言える「ボウモア」

そして今日紹介する「ブルイックラディ」です。


頑なに伝統を重んじるブルイックラディでは、

創業時からの

ポットスチルなどを使ってきました。


しかし、その頑固さからは想像も付かないほど

優しいモルトに仕上がっています。


アイラモルトの大半が食後酒向きですが、

食前酒としても供されるほどに

口当たりは柔らかく、爽やかで、

どこかフルーティーな香りが広がります。


アイラ独特の個性を抑えた分、

ウィスキー本来の味を楽しむことができ、

優しさの中にあるドライなキックも

しっかりと感じることの出来る逸品です。


個性を出しすぎないことで、存在感を示す。


ここはピアニスト、バド・パウエルという

圧倒的な個性の中で、それを支えた

ベースのポール・チェンバースに着目し、

名曲Cleopatra’s Dreamと共に

楽しむのもいいと思います。