統一地方選挙も終わり、色々と結果を見渡すと、

A党、B党の間隙の縫ってC党が躍進した地域、

A党は候補を擁立しすぎて

票が分散して多くが落選した地域、

B党の分裂に乗じてD党候補が当選した地域など、

様々な状況を見ることが出来ます。


ようは、候補を一本化する、

少数に絞るなどした政党が強いということですが、

いつの世も分裂は第三者の利益になるだけ。


「漁夫の利」の故事成語などでも御馴染みですが、

三国志好きなら「二虎競食」と言ったところ。



三国志での三国の1つ曹操が治める「魏」は、

卑弥呼が登場する魏志倭人伝の「魏」であり

日本人にも縁のある国。


この曹操を補佐した参謀に

荀彧(じゅんいく)という人物がいますが、

彼が使った計略が

「二虎競食(にこきょうしょく)の計」


後に三国の1つ蜀を建国する

劉備を警戒した彼は、

劉備と他の群雄を争わせ、

双方の勢力を削り

曹操陣営の相対的向上を目指します。



その後も劉備に対して

「駆虎呑狼(くこどんろう)の計」を仕掛けます。


Aには劉備を攻めろと助言し、

劉備にはAを攻めろと言い、

その隙にBに劉備の本拠地を襲わせる

「豹に虎をけしかけ、そこを狼に襲わせる」

という計略です。


これらの結果、劉備は勢力を削られ

放浪の日々を余儀なくされ、

蜀を建国する足がかりを築くのに

20年近くの年月が必要となります。



他にも、曹操の参謀賈詡(かく)は

曹操打倒に燃える群雄に対して、

群雄とその有力配下の関係を悪化させる

「離間の計」を用い、

両者の間に亀裂を生じさせ

結果として曹操側の勝利に導いています。



2者の争いは第三者の利益になる。


時代や場所や状況が違っていても、

普遍の方程式だと思います。



現在の政治状況を見ても、

自民、民主の政局争いが、

みんなの党の躍進に繋がる「二虎競食」、

首相派に対して

党内反執行部派が攻撃する「駆虎呑狼」など、

誰かが筋書きを書いた計略か否かは別にして、

歴史好きには色々見えてくる今日この頃。


一枚岩ではない勢力分散は、

戦国乱世も選挙活動も外交交渉も

不利に進むものです。