私のブログ、

医学方面に詳しい方も

読んで下さっていたりするので、

滅多なことは書けないのですが、

ちょっと医学系小ネタに

世界史を振りかけて今日のネタです。


インフルエンザの季節になると

ワクチン接種の話しが出てきます。


ワクチンはインフルエンザをやっつける

ガードマンではなく、弱めた病原体です。

これを注入して体に耐性を作ります。



さて、話しは2000年ほど遡り紀元前100年頃、

現在のトルコ・グルジアのあたりに

ポントス王国という国があり、

ミトリダテス6世という王の治世下でした。


この王様勇猛果敢な人で、

周辺国からローマ帝国まで

様々な国と戦います。


国内でも兄弟を殆ど殺害して

実権を握った王ですので、当然敵も多い。


そこで彼が恐れたのが毒殺。


彼は日頃から毒薬を少量ずつ服用することで

世にある様々な毒に対する

耐性を手に入れます。


ほぼ毒物マニアと化した彼は、

その知識と人権を無視して

人体実験を出来る環境から、

世界初の解毒剤「ミトリダティウム」を開発します。


彼の最期はローマ軍に破れ、息子に裏切られ、

毒で自殺を試みても当然死ねず、

部下に殺してもらう最期なのですが、

この「ミトリダティウム」は

その後ローマで暴君ネロの主治医の下

万病薬に発展します。


ここから150年ほど時代を下ると

医学の世界に名を残すガレノスという人物が

ローマで活躍をしますが、

彼はこの万病薬を好むローマの薬屋を信じず、

近代医術の基本となる解剖に基づいた

医学を発展させます。

と、言うことはこの万病薬

数世紀に渡って使われる優秀な薬だったんですね


なお、父を裏切った息子ですが、

一度はローマ帝国から所領安堵されますが、

それをまた裏切り、

カエサルに「来た、見た、勝った」の

有名なフレーズと共にあっけなく破れます。


蛮勇の父は敵を恐れ、敵を恐れさせ、

医学の発展にも多少なりとも寄与しますが、

一方の息子は・・・。


裏切り者の最期と評価なんてこんなもんですね。