<2024年5月15日(水)>
 1週間前の5月7日、義母が脳梗塞で緊急入院した。重度の脳梗塞との診断で、意識が戻らない状況が続いている。近年認知症が進み、仕事を持っている義兄との二人暮らしが難しくなったので、今年になってからグループホームに入所し、穏やかな生活を送っていたところであった。この日、義母は夕方から様子がおかしかったらしいが、普段から寝ている時間も長く、ホームの人が気付くのに時間がかかった。また、救急車を呼ぶのではなく、救急外来に連れて行ったため、待ち時間が長かったらしい。
 遡って昨年11月、同居する実母(当時86歳)が脳梗塞で緊急搬送された。倒れたときに父(当時89歳)が側にいて、息子も在宅だったのですぐに救急車を呼び、病院に着くまでの時間が短かった。幸い軽度の脳梗塞ですみ、身の回りのことが自分でできるまでに回復し、約1ヶ月の入院でリハビリ病院を経ることなく自宅に戻ることができた。単純に比較することはもちろんできないが、義母の場合、発症から治療開始までの時間が明らかに実母の場合より長く、もし救急車を呼んでいてくれたら、と、悔やまれる。
 義母の場合、脳の左側に梗塞があり、身体の右側が麻痺している(医師の説明)。意識が回復したとしても嚥下はできないだろう、認知も進んでいたことからリハビリどうこうの話ではない。これも医師からの説明である。娘である妻の眼からは、顔色も良く、穏やかに眠っているようにしか見えない。「本当に戻らないのかなぁ」と考えるのはごく自然である。一方病院側は、入院して3日も経たないというのに次の手(点滴を続けるのか、遺漏等考えるのか。自宅に戻るのか(戻れるはずがない!)、次の病院を探すのか)を迫る。急性期の病院としては当然の対応なのかも知れないが、もう少し家族の気持ちを考えてくれたらいいのに、と思う。
  一昨日、息子(義母の孫)も連れて義母の面会に行った。許されている面会時間は15分。一切面会が認められなかった実母の入院と比べれば会えるだけ良いと考えるべきか。少しむくんでいる、と妻の言葉。麻痺が少ないと思われる左耳から「おかあさん」「おばあちゃん」などと話しかけてみたり、肩を揺すってみても反応はない。ただ、妻が耳元で話しかけると、少しだけ左足先が動く。毎回ではないが、私や息子の声かけより妻の声に反応する。これが、反応なのか「反射」なのか。医学的なことはわからないが、家族としては一縷の望みが持てる反応のように思える。
 そこへ、昨日になって病院のソーシャルワーカーから妻に「次の相談をしたい」旨の電話。前述のように急性期の病院としては当然の対応なのかも知れないが、入院からまだ1週間しか経っていないのである。家族の望み・願いを見守る時間があっても良いのではないか、そう思いながら、妻を「負けるな!」と送り出したのであった。