先日の「Vamos J e Brasil」では
小笠原満男選手の震災復興支援活動についてお伝えしました。

多くを語らず背中で引っ張る男・・・
そんなイメージの小笠原満男選手ですが、
今回お話を伺ううちに
復興支援活動を通して改めて自分自身と向き合い、
発信できる立場として、
かつて感じた事のない意識や課題を感じていた事を知りました。
ベテランと言われるサッカー選手の、“32歳の人間”としての姿・・・





「何か伝えたいんだけど、俺は言葉を選ぶのが下手くそだから。
言葉を選びながら慎重にだけど、ただ“伝えたいもの”はある。
それをどういうふうに伝えればいいかなって考えるようになった。
でも、結局うまく伝えられないんだよね(苦笑)
“こういうふうに言えばよかったな”っていつも思うんだけど。」






――発信する努力をするようになったという事ですか?

「でも、うまく答えられない自分がいて。
しゃべるのは得意じゃないから、
結果で示すというスタンスではいたんだけど・・・
やっぱりある程度発信しなければいけないという事にも、今気づいて。
有意義な事を言って、それで何人か救われるのだったら。
もっとうまく伝えていく必要があるなと思って。」







発信していく事の大切さを感じる瞬間は
被災地の方々との触れ合いの中にもあったそう。


「被災地の方々にも待ってるだけじゃダメだよって言っています。
もっと発信して“これが困ってます”って言っていかないと。
東北の方々は我慢しちゃうんですよ“大丈夫だ”っていって。
でも靴がないといえば靴が届くし、どこかにはあるから。」



被災地の方々も、支援活動をする方々も、
何をできるのか考えている私たちも、
それを伝えあっていく事が大切なんですね。





――周りの方々とのコミュニケーションも増えたんですか?

「何度相談しに行ったことか。
みんな親身になって協力して案を出してくれて。
アントラーズのスタッフも
“カバーできるところはカバーしていく”と言ってくれて。
一人じゃ何もできないからすごくありがたいなと、
感謝の気持ちでいっぱいです。
アントラーズの選手も、身体のケアが大事だしお願いしづらかったけど、
でも俺がやってるのを見たら手伝うと言ってくれて
“ありがとう”と言ってやってもらいました。」





――様々な支援を計画してますが
これまで実際に、こういう「形にすること」ってあったんですか?

「あまりないし、何か物事をやる時に
“なんでこんなうまくいかないんだ”って思ってたけど、
今までいろんな人がこういう苦労をしていたんだという事や、
こういう問題の時はこの人に相談すればいいっていう事がわかって
すごく勉強になりました。」





――広がったというか、コミュニケーションがうまくなったというか?

「いろいろな仕組みがよくわかってきました。
今後何かが起こった時は力になりたいと思います。
人のために何か役に立てる事があればやりたいなと。
そう思えたのも、勉強になったというか、経験になったというか。」





――今後長期的にやっていきたい事はありますか?

「東北の冬は3、4カ月雪で使えなくて、その間試合ができないのね。
道路を走ったり、体育館でサッカーしたり・・・
それはそれでフットサルみたいで面白いし、
狭い中での技術が身に着くからいいんだけど。

でも環境さえ整えてあげられれば、
東北の子って本当に気持ちが強くてたくましいから
絶対にいい選手がでてくると思うんだよ。
だから、そういう環境を作ってあげたい。
人工芝を1つ作ってそれに屋根をつけるだけで、
それだけでJリーガーが出来る可能性って、グンと上がるから。
俺もあと、何年もサッカーできるわけじゃないし
本当に今が恩返しできる時だから、
できる限りのことをしたいなと思ってます。」





――これから自分がやっていくべき事がクリアになったと?

「いろいろな物を見て、いろいろな人と話をしていく中で、
こうしていくべきだというイメージが出来つつあります。
あとはそれをどれだけ実現できるか。
でもやっぱり一人じゃダメなんだよ。
いろいろな人に助けてもらって、協力してもらいながら、
なんとか実現して東北出身Jリーガーが育って欲しいなと思いますね。
それが新たな夢・・・・目標です。」





――現役生活とかを超越して東北のサッカー界に?

「今だからこそ始められることもあると思うから。
だから今アクションを起こしたいなと。
それが出来上がるのが10年かかるかもしれないし、
30年かかるかもしれないけど、
やってみないことには何も始まらないので。
やりがいはあります、大変かもしれないけど。
いろいろな人が頑張ってくれると、それで喜んでくれる人がいて、
目に見える形になるので。」





発信していく事、相談し協力していく事、計画し実行していく事・・・
選手として経験してきた多くの事とは全く違った視点。
新たな課題に考え挑み、立ち向かう中で湧き上がってきた夢なんですね。





――今、強く思う事は?

「本当にいろいろな方々が一生懸命やってるので、
そういう人たちみんなの努力が報われるように・・・
それはもう優勝しかないから。
“あの時みんなで頑張ったんだ”と言える様に。
今年は絶対に優勝したいですね。
来年でも、再来年でもダメ。今年!今年は特に、特別。」





――ベガルタ仙台のサポーターが喜んでいる姿を見ると
特にそう感じますよね。

「あれがサッカーの力だと思うんだよ。
いろいろな状況がある中で、見に来てくれた人に勝った試合を見せて、
あれだけ多くの人が喜んでくれて、盛り上がって、元気になって。
それだけサッカーの力は大きいと思うので。鹿島もそうでありたいなと。
本当に気持ちだから、最後は。
“勝ちたい!”“そういう試合を見せたい!”という
そういうのが強い方が勝つと思うんだよ。」





――気持ち・・・

「最後は気持ち。上手い下手じゃないよ、サッカーは。
勝ちたい気持ちが強いほうにボールは転がってくる。
最後の一歩、最後足にちょっとボールが当たってゴールがそれたなんて、
巧い下手じゃなくて“絶対にやられたくない”という気持ちで出るものだから。
絶対にそういう方が勝つんですよ、サッカーは。」





いち早く被災地に向かい支援活動を始めた小笠原選手。
その実行力と、新たに得た経験で、
今の被災地に力を、勇気を、喜びを、
そしてこれから何十年にも渡って東北のサッカー界に
大きな力を加えてくれるでしょうね(*^_^*)







ところで。
明日6月4日は、震災後初めてカシマスタジアムでの試合が行われます。
「震災復興チャリティーイベント
SMILE AGAIN~YELL FROM KASHIMA~」


鹿島アントラーズOBとJリーグOBの豪華な対決!!!

鹿島OBはジーコさんやアルシンドさん、トニーニョ・セレーゾさんも来日し、
オリヴェイラ監督も選手として出場するみたい(≧▽≦)

JリーグOBも全員が伝説!!!
澤登さん、ラモスさん、北澤さん、名波さん、小倉さん、城さん、福西さん・・・
エムボマさんもっヽ(*'0'*)ツ!!!!

これは楽しみ♪
鹿嶋もおおいに盛り上がるでしょうね(*^▽^*)





次回は、選手″小笠原満男″の一面をお伝えしますヾ(@^▽^@)ノ


$加藤理恵オフィシャルブログ「かとりえブログ」Powered by Ameba