「やっぱりそう定義されてないのでヤバいです」
拡大解釈している本もおそらくあると思いますが、高校の教科書の定義を考えると、まともにOKと言い切っちゃうのはやっぱりヤバいんですよ(^_^;)じゃあ極形式≒極座標って嘘じゃんとなるかもしれませんが、そうではないんです。極座標同様の処理を可能にするために、ちょっとトリッキーなことをするだけです。こちらは完全に高校数学の範囲内です。
複素数の大きさは正だけど。。
複素数の大きさは負にはなれない。でも、極形式でくだらない場合分けなんて絶対にしたくない。それではどうすればいいんでしょうか?
結論は簡単で
「一時的に仮に負で表してもOKと自分で定義してしまい、正に直した瞬間複素数の極形式になるとすればよい」
というものです。ご都合主義と言われても仕方ありませんが、場合分けする苦労を考えれば僕なら素直にうけいれます(^_^;)
言葉だと伝わりづらいので、具体例でいきます。
とりあえず前回と同様以下の状況を複素数平面の極形式に置き換えます。
上のベクトルを基本問題に良くあるように(x,y)を複素数平面のx+yiに置き換え、さらに→ r(cosθ+isinθ)という極形式に変換します。これの3番目と4番目に着目して下さい。
(補足)以下で本来はそのベクトルを表す複素数を定義するべきですが、ここを前回からの流れで説明する間だけ、[ベクトル]=[複素数]という表記を許して整合性を見えやすくさせて下さい
3.4番目のxベクトルの極形式を考えるときは当然上段側のように、大きさは2,4で偏角は7π/6ですが、
cos(θ+π)=-cosθ
sin(θ+π)=-sinθ
を利用して下段のように変形して(-2),(-4)を外に出しといて、偏角部分を揃える変形した状態を極形式ではないけど「極形式のようなもの」として認めてしまえば良いだけです。自分でこの形で置くぶんには極形式とさえ書かなければrにマイナスが出てきてもなんの問題もないというのが伝わるでしょうか?
(注:下記コメントで、負になる場合をr>0として
-r(cosθ+i•sinθ)
=r(-1)(cosθ+i•sinθ)
=r(cosπ+i•sinπ)(cosθ+i•sinθ)
=r[cos(θ+π)+i•sin(θ+π)]
と考えると見通しが良さそうとあり、なるほどと思いこちらに追記させていただきました。合わせて参考にして下さい。)
複素数平面の二面性
もちろん上記の場合こんな奇特なことをする人はいなくて、複素数平面においては極形式で攻めるのもx+yiで攻めるのも自在なので、やはりこう計算するのがまともな考え方です。
となります。これはどんな基本問題集にも載ってる計算ですので、普通こっちを選びます。
少し余談ですが、複素数平面というのはこのように
x-y座標に置きかえてゴリゴリに計算処理
積と商は極座標的に極形式で回転拡大処理
和と差や長さはzのままベクトルとみたり、共役複素数など利用したりして計算処理
と何にでも対応できるという万能性があり過ぎるツールであることが最大のメリットであり、それゆえ悪く言えば中途半端なところがあり、
答えがゴテゴテした感じになりやすい
試験では方針に迷いが生じやすい
という潜在的なデメリットを抱えることになります。ですから、シチュエーションから方針が反射的に浮かぶレベルで演習する必要性があり、僕自身感覚がすぐに戻りきらないのも、このアプローチの広さにあります。
本当に意味あるの?
では、わざわざ極形式風味のr<0考える意味というのは何か?というと
「極形式使いたいよー&足し算引き算もしたいよー&場合分けはしたくないよー!」
というわがままな状況に応えるためにあります。極座標のアプローチを借りれば極形式でも同様に処理できるに決まっていることを極形式≒極座標と表現したことが伝わったでしょうか?
さて、基本はこれ位にして、次回から具体的な応用問題でやってみます。2017年早稲田大学の教育学部で難問とされているものですが、全てはこの問題の真の解法を解説ためのふりです。是非一度解いてみて下さい^_^
ちなみに僕が浮かんだアプローチは、例えば全部x+yiで表すとか「たとえ出来たとしても何時間かかるねん?」といった非現実的なものを除いて4つで、おそらく2つの処理可能なアプローチが(それぞれ極座標、極方程式どちらでもいけるので4パターン)あります。
実はこれもただの逆像法のちょっとした応用問題に過ぎません。この問題になってくると、本当にわかっているのか、だいたいわかってるのかの差が結構浮き彫りになります。
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