人間なんてららーらーららららーらー | 受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

家庭教師歴約25年。医学部東大など難関大学受験生中心に教えてきました。ちょっとした工夫でケアレスミスを防ぎ実力が点数に反映させる実践的方法や受験生の質問の多かったポイントや過去問などのブログにする予定です。ご連絡あればkatekyo424-public@yahoo.co.jpまで。

今回は逆手流だの逆像法だの存在条件だの実数条件だの交点だのを完璧に理解する(その6)の逆像法をマスターするstep3の2文字の存在条件を追求して1文字の範囲を求める問題に入ります。

逆像法基礎編の目次はこちらにあります。


さて、コンピューターのような演算能力を持たない人間は、処理できるものに限界があります。結局のところ

1文字の未知数がある方程式(不等式)を解いて答えを導き出す程度の処理能力しかない(>_<)

2文字の変数については平面のグラフを考えてそれを見ながら考える程度の処理能力しかない(T . T)


ですよね。(人間はn次曲面をイメージできツールを使って処理はできますが、明確な処理のツールとしてはという意味での限界です)



それでも僕は羽生善治はコンピューター将棋に勝てると信じたい!というのは置いておいて、どのような問題でも最終的には人間の処理能力の限界を超えていれば、処理できるようにする方向に向かっていってくだけに過ぎないということです(自分ができることに処理が向かっていくことを意識しながら基本演習をやると劇的に効率良くなる)。

さて今回のメインテーマである2文字の存在条件を追求するのは、上記限界が理由で結局2通りの方法に分かれることになります、一つは
「2文字の変数のグラフを考え、交点を探しながら存在条件を追求する」もう一つは「条件から文字消去することで、処理できる1文字の変数の方程式(不等式)を作り、解の存在条件を追求する」この二つしかありえません。どんな難問でも絶対にこれしかありえないです。


基本問題集で厄介なのが、この両方の解法が別の例題に何食わぬ顔をして載っていることにあります。全く同じ状況で二つの選択肢があり、どっちかを選んでやればいいだけなのに、まるで別の解法のような感じで誤解しやすい編集になっちゃってるんですよね。そうすると難問の時に自在に使える基礎力が全く育ちません。今の数学1A2Bに分断されたカリキュラムだとやむをえないのはわかりますが、数学3の後にこう言う横のつながりを横断的に教える数学総合みたいな教育課程があると良いなあと思います。誰か僕に文部省の教育課程決めてる人の前で一度こう言うお試し授業的なのやらせてくれないかなぁ。



前置きが無駄に長くなりすぎました。具体的に問題に入ります。





計算法は論外なので、ここではまずはあえてzを変数として扱う順像法に忠実な2通りのアプローチを試みてみます。


上にあるのは3文字を変数と見て立体グラフを浮かべzの範囲を評価するというものです。できるわけないですよね。。。(^_^;)

その下はyを消去してz-x平面のグラフを書いて求める方法です。3Cやっていれば少し面倒ですが処理可能です。2文字の変数ならグラフをかけるので、計算できる範囲なら人間は処理しきれるというわけです。面倒なのでやりませんが。。。案外やってみるとそこまで時間かからず正しい答え出てきますよ!希望があればこの順像法アプローチを具体的に見せることも可能です。




さて、ここからはどの基本問題集にも載っている逆像法を使った解法です。ただ、基本問題ではzという文字はなくx+yの範囲を求めていることが多いですが、変数xと変数yの和は当然変数なので同じことです。ただ、その場合わざわざ変数zを定義してからkと固定したりせずにいきなりx+y=kで固定してスタートすることが多いです。僕自身はは脳内で一瞬変数を考えてから固定していると思います。



まずは(x,y)の2文字の存在条件をグラフを書いて、交点が存在しないか追求することで範囲を求める方法です。


少し脳内の流れを補足します

範囲を求める変数zをkで固定しよう

これで(x,y)の2文字の変数の存在条件を追求してkの範囲を求めりゃいいだけだな

変数は(x,y) だけなので、それぞれグラフが書けそうな式の形をしているな

x,y平面のグラフを考えるシチュエーションで、x+y=3となったらy=-x+3と変形して一次関数のグラフを書きたくなるから、それと全く同じ変形をx+y=kでも同じように変形するよなー。

この直線と円のグラフを考え、それぞれ同時に満たす(x,y)が存在するには。。。と思いながらkに色んな値を代入して考えてみる(ここで、良く動かすという表現が使われますが、文字定数の場合色んな値を代入した結果動くと考えた方が変数との混乱が減ります^_^)

直線が上下に動くことになるな

交点があれば、その点の(x,y)の値をそれぞれの式に代入すれば、両方の式が成立するはずなので、(x,y)が存在するからOKってことになるじゃん


あとはどう処理してもOKだな

ここでは定番の点と直線の距離を使って処理しました。この文字定数に色んな値を代入するプロセスをサボらなければ、1文字の存在条件考えるときとそんなに変わらないことが体感しやすいはずです。



次にスタートは同じですが、文字消去を使って1文字の存在条件を追求できる形にして、前回の問題同様に処理しようというものです。



範囲を求める変数zをkで固定しよう

これで(x,y)の2文字の変数を存在条件を追求してkの範囲を求めりゃいいだけだな

ん?変数は(x,y)2文字 残ってるけど、x+y=kの方を変形してy=-x+kとし、もう一方に代入すれば、変数はxの1文字だけになるな

この場合は代入するとき範囲に気をつけるってのはyが1次式なので考えなくて大丈夫だから(ここは次回詳しく書きます。yの存在するxの範囲が全実数ってことです)2次方程式になって判別式使えば行けそうだな

あとは処理するだけ

となります。


同じ逆像法でスタートし第3段階において、式を2変数のグラフの関係式とみるか、代入して1つの方程式にもっていけるとみるかによってその先の処理が全然変わるだけで、両方ともそのあとは基本に忠実にアプローチしているだけなのが伝わるでしょうか?

まあどっちがすぐれているというわけではないですが、僕はグラフがパッと浮かび存在条件がグラフ内でみえる時だけは前者で処理し、そうでない時は文字を減らせないか考えるというのが、自分が難問を考えるときの基準になっているように思います。



それではもう一例、先ほどの円の式を不等式にして軽めに触れて終わります。


順像法は最初の問題と同じ理由で無理です。不等式になると論外ですよね。

で、2文字の存在条件をそのまま追求する時は


な感じ。文字を減らす時は


な感じになります。存在条件を追求するのが、不等式なので少し面倒になりますが、ちょっと変わるだけです。



いかがでしたでしょうか?めちゃくちゃ数学できる人に限って基本だけやってりゃどんな問題でも解けるでしょ!なんて言ったりしますが、その人たちの脳内は多かれ少なかれ基本問題がこういう感じで脳内で整理させています。これらを教わらずして問題やっていくだけで自然に整理できる人が数学できる人ってことなんでしょうが、僕は正しく教わり正しい努力をすればそういう人に追いつくのはさほど大したことではないと思っています。ちゃんと努力してるはずなのに応用問題になるとできないと悩んでいる人は、大抵こういう基本の部分での欠落がある状態で応用問題演習した結果、脳内が応用問題で使える状態にまで整理しきれていないだけなので、欠落部分を埋めれば解決も早いですよ^_^


いよいよ次回から、変数を2文字に増やしたいところですが、その前にこの問題をちょこっと変えた


を解説します。この直後だと逆像法使いたくなりませんか?この問題で、1番やりたかった代入選択の奥深さについて軽めに踏み込みつつ、僕の考える応用力の正体についてやります。今まではフリでここからが本ネタです。それが終わってから範囲を求める変数を2文字に増やします。逆像法シリーズいつ終わるんだ。。。



逆像法基礎編の目次はこちらのページ
逆像法全体はこちらのテーマ(新しい順)
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