なぜ笑顔を向ける? | 子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育

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子どもへの言葉かけ、寄り添い方のコツを知っていると
ちょっとの工夫で子育てが楽しくなります。

教育相談員だったとき、
子どもたちに言われたことがあります。

「由紀先生は、ちゃんと話を聞いてくれる気がする」
「〇〇先生には話しにくいけど、由紀先生なら話す」
相談員としてはもちろん、
大人としても非常に嬉しかったことを覚えています。
なぜ私が子どもたちから好感を得られたのか、
その理由は、私が心がけていた2つのポイントと一致しました。

          子どもたちに常に笑顔を向けること。
          話すときには、必ず子どもたちの名前を呼ぶこと。
本当にたったこれだけが理由でした。
この二つは、信頼を得る為の基本です。

◆「好意(笑顔)の返報性」
人の心理には、好意を寄せてもらうと
無意識のレベルで
その人に好意を返さなければいけないと思ってしまう
「好意の返報性」
という原理があります。

つまり、相手に好意を伝え、
良い印象を得られれば、
相手からも好意を返してもらえます。
ですから、人間関係がスムーズになります。
一方、ネガティブな感情を相手に与えると、
相手からもネガティブな感情を返されます。

ですから子どもたちは、
私の印象がとてもよかったのでしょう。

さて、この好意の返報性は、イラク戦争中にも使われました。
7年以上におよんだイラク戦争の現場で
アメリカ軍が和平交渉を進めるため、
地元イラクのナジャフにいる
宗教指導者を訪れたときのことです。

宗教指導者を捕まえに来たと勘違いした住民が
アメリカ軍を取り囲みました。
途端に辺りは騒然となり、
暴動寸前の大混乱に陥りました。

そのとき、アメリカ軍の司令官は
全員に向かって指令を出しました。

Everybody smile!(「笑って!」)

空気は一変。
騒ぎはたちまち鎮静し、住民たちの顔には
好意的な笑みさえこぼれ始めました。
住民は、アメリカ軍に敵意がないことがわかり、
あわや一発触発、という
流血の惨事を免れたのです。

たったひとつ、笑顔を見せるだけで、
切れていた心が繋がるんです。
笑顔は人との心を繋ぐ道具でもあるわけです。
皆さんも是非、お子様に最高の笑顔を向け、
親子の絆を強めましょう。

次回は、ネームコールの効果についてお伝えします。

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