時間に余裕がある3クラスで、マイクロディベートをしました。


1回目のテーマは、生活設計の分野「人は結婚すべきである」か否かでした。


2回目テーマは、家族の分野「選択的夫婦別姓制度を導入すべき」か否かでした。


3回目のテーマは、住居の分野「大学生は1人暮らしをすべき」か否かです。


学習プリントです。



最初に、「大学生になったら1人暮らしがしたいか」挙手させました。

本校は、約98%が大学進学をします。例年、卒業後に1人暮らしをする生徒も半数を越しています。そのような環境なので、大多数の生徒が手を挙げていました。


話し合いの論点がぶれないよう、1人暮らしの反対は、「寮」や「シェアハウス(英語イマージョン教育で扱いました)」ではなく、「自宅」に限定しました。


授業では、ディベートの根拠として、既習の内容である4つの自立「生活的自立、精神的自立、経済的自立、性的自立」について確認しました。


ポイントは、大学生と社会人との違い。

社会人からではなく、大学生から一人暮らしをすることの根拠について、自立と言う視点から考えてみましょう。


また、プリント裏には、自宅と1人暮らしの違いについての資料を載せました。



1週間前に、宿題も出しました。

ディベートは、実体験があると説得力のある話ができます。


5分間の立論準備。

賛成、反対の立場から、最低3つの意見を書きます。


準備ができたら、マイクロディベートです。

※進行表は、吉田氏「マイクロディベート指導案(略案) 社会と情報」より

3人ずつのグループを組み、毎回、メンバーの入れ替えを行いながら、各自が肯定、否定、審判の全ての立場を経験できるよう、3回戦行いました。

審判のジャッジシートです。












生徒たちの感想です。


















1年半後に受験を控える2年生。

これから進路選択をしていく上で、一人暮らしを選択肢に入れるか入れないかは、大きな違いがあります。これまで安易に一人暮らしをしたいと考えていた生徒たちも、一度立ち止まって考える機会になったのではないかと思います。


「実際は一人暮らしをしたいけど、自宅の良さもたくさん知れた」

「絶対自宅がいいけど、一人暮らしも自立の面では必要かもと思った」


友人の意見に触れながら、高校卒業後の生活設計について現実的に考える、そんな時間になってくれていたらいいなと思います。


本校のような地方の高校生には、一人暮らしへの憧れが強いようです。授業の最後には、大学に自宅から通った私の体験談を話し、自宅でよかったことについて補足しました。

また、取材の入っていたクラスでは、大学生の頃、自宅と1人暮らし、両方の経験がある東京の記者さんに、スペシャルゲストとして、実体験を話してもらいました。事前にこっそり確認はしたものの、突然の無茶振りに快く応えてくださった記者さん、ありがとうございました。


人生は選択の連続です。そして、人生を左右する大きな選択は、特に2〜30代の若い頃にたくさんやってきます。

幅広い知識を持ったり、色々な考え方を聞いたりすることで、視野が広がり、より良い選択ができるのではないかと思います。


ちなみに、本校は、ほぼ全員が共通テストを受験し、ほぼ全員が大学進学を目指しています。地方と言っても、自宅から通える国公立大学、私立大学もあり、自宅か一人暮らしかを選べる条件にあり、卒業後の進路は自宅、一人暮らしが例年半分半分くらいになっています。

マイクロディベートのテーマは、学校の実態に合わせて設定すると、白熱した討論ができるのではないかと思います。