昨年度から、マイクロディベートを授業に取り入れています。

家庭科の授業内容を深めるために、とてもよい学習法だと思うことと、生徒たちが白熱した討論を繰り広げる姿から、今年度は計画的に年間計画に組み込むことにしました。


ディベートとは何か。

導入で5分弱の動画を見せて、双方の主張の書き取りをしました。

https://m.youtube.com/playlist?list=PL-PLcrzetdlAamKqdNIX-VLVM2aPbCZpU




肯定ペンギンと否定シャチの主張。

聞き取りメモから、根拠を持ってどちらの言い分が説得力があると言えるか、挙手をさせました。


ディベートは、審判が一番頭を使うし難しい。

まずはそれを体験させてから、本時のテーマに入ります。


学習プリントです。

※ 進行表は、吉田氏「マイクロディベート指導案(略案) 社会と情報」より

※参考資料は、「家族をテーマとしたディベートによる思考の深化と指導力の向上」植草学園大学 馬場彩果 より



プリント裏にジャッジシートを載せました。


初回のマイクロディベートのテーマは「結婚すべきか否か」です。全クラスで行うことで、ディベートの仕方を習得させることにしました。

これで、今後は、授業数に余裕があるクラスで、どのクラスでもマイクロディベートをすることができます。


これまで、生活設計や家族について、授業で取り上げてきました。出生家族や創設家族の話などもしてきましたが、そもそもあなたは「結婚」すべきと思いますか?思いませんか?


プリントを半分に折ってから左半分だけ見ながら考えさせました。


挙手してもらうと、賛成、反対、意見が割れました。


まずは、自分の意見とその根拠について考えます。


ディベートは、自分の意見に関わらず、機械的にどちらの立場に立つか決めるものです。自分と逆の根拠も書きましょう。












賛成、反対の根拠を自力で考えた上で、プリント右の資料、賛成意見と反対意見の表も参考に考えを膨らませ、立論を考えました。


いよいよマイクロディベートです。


机を付けて3人ずつの班を組み、出席番号の早い方から賛成、反対、審判に割り当て、役割を変えて、3回行います。※人数の合わないクラスは4人班を作り、審判を2人にしました。


審判は、しっかりとメモを取り、得点が合計5点になるようにしてください。


進行は私が行います🛎


賛成側立論 1分

反対側立論 1分

賛成側反論 1分

反対側反論 1分

補足討論  1分

審判結果発表1分


で行いました。


初のディベートでしたが、かなりヒートアップして、生徒たちは相手を論破しようと、頭をフル回転させていたようです。


ジャッジシートです。







50分授業で説明から試合まで全て行ったので、時間が押してしまいましたが、とても有意義な1時間になりました。


20年ほど前、研修でマイクロディベートをしたことがあり、「これは面白い!」と、いつか授業でしたいと思っていました。


また、生活設計をさせる際、生徒たちが「結婚」しない人生を思い描きにくいようだと感じていました。


人の生き方が多様化する中、「結婚」してもしなくても夢を持って自分らしい生き方ができる、家庭科の授業ではそんな学びをしてほしいと、今回は「結婚すべきか否か」をテーマにしました。


生徒たちの感想を読むと、友だちの意見に触れ、考え方が深まったことが分かります。





マイクロディベートをするにあたり、色々な論文を読み、参考にさせていただきました。

ディベートには、今の生徒たちに学ばせたいことが凝縮していると感じました。

また、家庭科との相性も抜群だと思います。


何よりも、生徒たちが楽しんでくれたことが伝わってきて、嬉しく思いました。

「難しいのに面白い」

知的好奇心をくすぐるディベートの魅力が伝わってくる感想です。


最後に、ディベートの意義を確認して、授業のまとめにしました。


授業では、様々なエピソードを織り交ぜながら進めていますが、どうしても私の主観が入った構成になります。


人生は選択の連続です。マイクロディベートを通して、色々な意見に触れ、自分の考え方を見つめ直す時間を取ることが、今後の人生でも活きてくれたらいいなと思います。


20代の頃からしたいと思いあたためてきたマイクロディベート。
授業ですることができ、それに全力で応えてくれる生徒たちに恵まれたことに感謝です。