時間に余裕のあるクラスで、結婚を題材にしたコミニケーションゲームをしました。


学習プリントです。



プリント上には見合い結婚と恋愛結婚の割合の経年変化のグラフ、右半分にはデートDVのチェック項目を載せました。


プリント裏には、具体的なデートDVのエピソードを3つ漫画で載せました。(暴言、束縛、LINEチェックの事例)


授業は、騒がしくなってもいいように、被服室で行いました。

各机は人数制限なし。自由席にしておくのがポイントです。


「今日はデートゲームをします」と、伝えるとみんなザワザワ。


「デートってどんな目的でするか知っていますか?」と聞くと、もっとザワザワ。


デートとは、より良い伴侶を選ぶための手段として、戦後、アメリカから入ってきた文化です。日本では、結婚前の男女が2人で出歩くことが不謹慎だと言われる時代もありました。


今は、結婚をする、しないを含めて自由に選べる時代になってきました。あなたは、生活設計で、人生に結婚を組み込もうと思っていますか?

私は、結婚したいと思う人には結婚する人生を歩んでほしいと思います。


人生を左右する大きな選択は2つあって、1つが「進学→就職」もう1つが「結婚」だと私は思います。もちろん、結婚はしてもしなくてもいい。でも、結婚を人生設計に入れているなら、自分の思い描く人生を自分の力で作ってほしいのです。


学校では、「進学→就職」については熱心に教えますが、「結婚」については教えてくれません。そこで、今日は、結婚の手段であるデートを通して、結婚について、勉強します。


結婚はどうやってするのか知っていますか?


まずはパートナー選びからですよね。

さて、パートナーはどうやって選ぶのでしょうか。

戦前戦後は見合い結婚が多く、お年頃になったら、親戚や近所の人などが紹介してくれていました。私の祖父母(みんなのひいおばあちゃんおじいちゃん世代)は、両方とも見合い結婚だったそう。母方の祖母から聞いたことのある、祖父とのお見合いの日は恥ずかしくて顔をあげられず、2回目に会った結婚式で初めて顔を見たという、今では考えられない約80年前のエピソードを紹介し、結婚事情の変化について話しました。


今は約9割が恋愛結婚です。

自由になった分、自分で選ばなくてはいけなくなりました。今は見合い結婚と言っても、それはきっかけであって、その後は恋愛に移行することが多いのではないでしょうか。


見合い結婚は平均7ヶ月。恋愛結婚は平均2年のお付き合い期間を経て、結婚に至るそうです。


自分の生活設計に結婚を組み込んでいるなら、結婚したい年齢から逆算して、お付き合いを始められるよう行動を起こす必要があります。


さて、このお付き合い期間はどうやって仲を深めていくのでしょうか。


デートです。

ここで、大学の家族関係学の授業で学んだデートについての話を紹介しました。


特定の相手に絞る前の段階をランダムデート。
いわゆる「告白」を経て、お互いの意思確認ができ、特定の相手に絞った段階をステディデートと言います。

このステディデートの段階は、まだ法的な拘束力はありません(法的な拘束力があるのは、婚約後のコートシップから)。最近は10代カップルの3組に1組で、デートDVが起こっているというデータがあります。

DVをしない相手かどうかは、結婚前に見極めないといけません。
お付き合いしてる人、自分は大丈夫?
デートDVしてない?受けてない?

ステディデートに法的拘束力はありません。
デートDVに気付いたら、自分で何とかしようと思わず、周りの人に助けを求めたり、相談機関に相談するなど、別れる選択肢を持ちましょう。
デートは、より良い伴侶を選ぶための手段です。付き合うことが苦しいと感じたら、無理することはありません。縁がなかったと諦めて、次に向かうことが大切です。

デートでより良い相手を選ぶことの重要性が分かったところで、デートの練習をしてみましょう。

今回のデートは、お付き合いの前段階のランダムデートです。

まずは日曜日の相手選びから。

同じ班に座っている人を1人選び、「日曜日空いてる?」と聞いて、デートの申し込みをし、お互いの意思確認ができたら、スケジュール帳にお互いの名前を記入し、デート成立です。


他の日も埋めていきましょう。

今、同じ班に座っている人は、普段よく喋るメンバーだと思います。


そこで、月曜日から土曜日までの6人は、別の班にいる人の名前を入れてもらいます。さらに、月、水、金は異性にしてみましょう。


制限時間は10分。5分経ったら、私が世話焼きおばさんになって、ひっつけてまわるので、その前に、自分の意思で相手を決めるよう頑張ってみてください。


スケジュール帳が埋まり、全員が席に戻ったら、空きがないか確認し、クラスが奇数で残った人は、私からデートのお願いをして、第一段階は終了です。


さて、デートの約束は取り付けました。

次はデートです。

1日3分のミニミニデートをします。

私が「月曜日」と言ってベル🛎をならしたら、月曜日の相手のところに行って3分間のミニミニデートをしましょう。

最後の日曜日は、同じ班の相手ですので、席に戻ってデートしてください。


さて、この話を聞いて、「困ったな。初対面の人と話すのは苦手だ」と思った人、いると思います。ここで、上手なコミュニケーションの取り方について話したいと思います。


「話し上手は聞き上手」と言います。緊張して一方的に話しまくってしまう人もいると思います。落ち着いて、相手に話す間を与えて、会話のキャッチボールを楽しんでください。


プリントのメモ欄には、相手から聞いたことを書きます。


この欄に何も書けないと言うことは、自分が話し過ぎてしまった証拠です。意識して両方が話すようにしてください。


たった3分の制限時間です。話題は1〜2つあれば充分です。話題に困らないように、ネタを頭に準備しておきましょう。

話題は何でもOK。

例を前にあげておくので、困った時は使ってみてください。


ダブルデートは禁止です。1対1で話してくださいね。


それでは始めます。

「月曜日🛎」


かなりの盛り上がりをみせるデートゲーム。


ゲームが終わった後、興奮冷めやらぬ生徒たちにも話すのですが、私は高校生でのステディデートはお勧めしません。


その理由。異性を見る目は今のうちからしっかりと養っておく必要があります。
同世代の多くの異性と関わることのできる高校時代は、色々なタイプの異性の存在を知る絶好の機会です。たくさんの級友と関わり、自分の価値観を育ててもらいたいと思っています。

そして、時期が来たら…人生で結婚を生活設計に組み込んでいる人は、結婚したい年齢から逆算して、積極的にパートナー選びをしてください。理想の人生を歩むには、自分自身で道を切り拓くことが大切です。

私は31歳の時、めちゃくちゃ勇気を出して食事のお誘いをしたことがきっかけで、その半年後にお付き合いが始まり、お付き合いの2年後に今の夫とめでたく結婚することができました。

最初の「デートのお誘い」が大人になると、本当に難しい。待っていても王子様、お姫様が白馬に乗って来てくれることはありません(もしそのようなことがあったら、結婚詐欺を疑うこともお勧めします)。結婚のきっかけは、自分自身で作ること。心に留めておいてください。

思春期の高校生には刺激的なテーマだと思いますが、きっと記憶に残る授業になったのではないかと思います。
授業の最後に、「片思いは応援するけど、両思いになったら引き離すから、私にバレない距離を保つように」と、冗談を交えつつ、高校時代に彼氏彼女がいないことはラッキーと捉えて、男女関わらず色々な人と関わること。恋人がいる人も、互いに束縛し合わないことについて話すようにしています。

ちなみに、このゲームは、私が初任者研修の時に県の教育センターでしたものを、家庭科の授業向きに「結婚」と組み合わせてアレンジしたものです。

もともとは、アイスブレーキングが目的のゲームです。一部の人だけでなく、クラスの色々な人と関わって欲しいと言う私からの願いもこもってます。このゲームをきっかけに色々な人と関わってくれるといいなと思います。