11月に、県の研修会で、消費者教育の分野で研究授業をさせていただきました。
授業の中心は、「支払い方法の多様化」なのですが、学ぶ意欲を高めるため、事前に生徒たちに1週間×2回の買い物行動チェックシートをつけてもらい、そのデータを導入に使いました。
クラスで無駄遣いの全くない人は半数程度いましたが、無駄遣いのある人は、平均すると週500円弱、無駄に使っていると自覚していました。これを月2000円と考えると年24000円。無駄遣いを減らし、毎週500円玉貯金をしたら、1年で24000円貯まる計算になります。
1年後24000円貯まったとしたら、何に使いたいですか?
お金の使い方は人それぞれ。毎日、学校帰りのお菓子を楽しむ人もいれば、そのお金を貯めて、必要な時にドンと使う人もいる。
どちらが正解と言うのはありませんが、先を見越した金銭計画は大切です。日々の無駄遣いは、チリも積もれば山となります。そのことを理解した上で、自分の使ったお金をきちんと把握して、納得のいく使い方をしましょう。
授業では、スライドだけでなく、実物を提示しながら、私の体験談を話すなど、実生活に置き換えやすくしました。
今回の授業のために、デビットカードを作りに銀行に行きました。通帳から直接支払いができる即時払いのデビットカードは、クレジットカードと違い、15歳から作ることが可能です。キャッシュレス決済の選択肢の1つとして、正しく理解するため、丁寧に説明する必要性を感じました。
色々な支払い方法がある現状を踏まえ、「現金派」と「キャッシュレス派」に分かれてジャムボードでミニディベートを行いました。
どちらにもメリットがあることを認識した上で、キャッシュレス化によって購買意欲が高まる脳のメカニズムについて、資料を提示して話し、
問題点について考えさせたりしました。
最後に、キャッシュレス化が進む中で、気を付けなければならないことや、使ったお金を把握するための方法などをおさえて、授業のまとめにしました。
家庭科の授業では、知識を得るだけではなく、その後、どう生活に活かせるかが重要だと思います。
生徒たちの授業後の感想には、お金の使い方に対する意識が高まったことがあらわれていました。
研究授業には、消費者教育の内容であったため、指導主事や家庭科の先生方(30人ほど)だけでなく、財務局の方も来られ、家庭科の授業で扱う内容の幅広さに驚かれていました。
研究授業のために検討を重ねた指導案を役立てられないかと、先日家庭科教育学会のラウンドテーブルでご一緒させていただいた大学の先生に相談したところ、「カテイカCEプロジェクト」に、載せていただくことができました。
消費者教育の指導案が集まったホームページです。必要な方のお役に立てると光栄です。
大きな研究授業は久しぶりで、年甲斐もなく緊張してしまいましたが、テーマ決めから授業準備、授業実施後の協議など、とても勉強になりました。
お世話になった先生方、ありがとうございました。貴重な経験をさせていただけたことに感謝しています。