ビタミンの授業です。

学習プリント

水色で消している部分には、5 A Day(野菜を1日5皿食べましょう)の説明、デザイナーフーズピラミッドの図、野菜の1日の摂取量の年代別平均のグラフを載せました。






裏面には、うまみの相乗効果や野菜ジュースと色の関係や夏バテにはうなぎ(豚肉でもOK)の記事を載せました。


板書です。


最初に野菜の話から。


食品群別摂取量の目安によると、1日に必要な野菜の量は350gです。

調理実習で作ったサバーグ入りハンバーガー&コーンスープ
サバと豆腐で作ったハンバーグとコーンスープで、飽和脂肪酸を減らしたり、カルシウムを強化したりして、栄養素のバランスを改善しました。

しかし、このメニューには、決定的に足りていないものがあります。

それは野菜。
実習では、ベビーリーフ200gを、8班(約40人分)に分けました。1人当たりたった5gです。

1クラス分の野菜200gです。

こんなにたくさんに見えても、1人あたりにするとたったの5gびっくり


食品群別摂取量のめやすの野菜350gを、生野菜で食べるのは、無理があることが分かります。

そこで、次回の調理実習では、火を通せば、野菜はたくさん食べられることを体感してもらおうと思います。食べる量は、1日の約1/3の100gにしました。

実習では、50分授業でお弁当の定番メニュー(唐揚げ、卵焼き、ほうれん草の胡麻和え、うさぎりんご)を作ります。※ごはんは持参🍚
ほうれん草の胡麻和え(1人100g)は、カロテンの吸収率アップを狙って、ごま油を使った和え衣にします。

野菜は350gのうち1/3以上を緑黄色野菜で摂ることとされています。
緑黄色野菜とは何でしょうか?

8つの野菜を、緑黄色野菜と淡色野菜に分類しました。
切った断面が濃い色なら緑黄色野菜。薄ければ淡色野菜。栄養素的には、100gあたりのカロテン含量が600μg以上の野菜を緑黄色野菜といいます。

肉や魚は1日に男子200g、女子120g必要です。
野菜は350g。野菜は肉や魚の2〜3倍摂る必要があるんです。
一汁三菜で、主菜の2倍の副菜が必要な理由や、お弁当のおかずの詰め方(メインのおかずの2倍の野菜)の理由も納得できますよね。

果物は野菜と似た栄養素をもちますが、糖分が多いため、摂りすぎは控えるようにしましょう。食品群別摂取量の目安によると、果物は150gです。
学校の売店には、450ml入りの紙パックに入った果汁100%のオレンジジュースが売られていますが、これを1人で飲み干すのはお勧めできません。100%のジュースであっても、コップ1杯程度(150ml)に抑えましょう。

最後に、きのこはビタミンDを多く含むことや、旨味成分のグアニル酸を含むことを話し、旨味の相乗効果についても話しました。


料理上手は、旨味を使いこなします。
何かひと味足りないなと思ったら、隠し味にきのこやお酒、かつお節、粉チーズなど、うまみ成分(グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸)を組み合わせてみてください。

次回の調理実習では、手っ取り早くうまみ成分を組み合わせる裏技を紹介します。ほうれん草の胡麻和えにはだししょうゆ、唐揚げには麺つゆ、卵焼きには白だしを使います。これらの出汁入り調味料は、鰹節や昆布からとった出汁が使われているので、うまみの相乗効果で美味しくなりますアップ

また、唐揚げの下味は、がん予防の期待大(デザイナフーズピラミッドNo.1)のにんにくや生姜を使って、少量の油で揚げ焼きにします。

料理上手になる工夫がたくさん詰まったお弁当作りです。お楽しみに❣️


一人暮らしで、自分の野菜&果物不足に気付いたら、野菜ジュースや果物ジュースを利用ことも1つの方法です。

でも、野菜ジュース=野菜ではありません。

どうしても自炊ができないなら、週一で友だちと鍋パーティーするのもお勧めです。

みんなが卒業して1人暮らしになっても、野菜たっぷりの健康的な食生活を心がけてくれますように✨

本題のビタミンの話です。
ビタミンの語源は、バイタル+アミン。
生命の維持に必要不可欠なアミンと言う意味。発見された順に、AからEの名前がつけられ、Kだけ血液凝固を意味するドイツ語の頭文字をとってつけられたそうです。

ちなみに、ビタミンU(キャベジン=キャベツから発見されたビタミンに似た働きをする成分)も時々耳にすることがありますが、厳密に言うと、ビタミンには分類されていません。


ビタミンBは、発見後、色々な種類に分類されることが分かり、数字を付けて表現されるようになりました。ちなみに、ナイアシンと葉酸はビタミンB群です。

また、ビタミンFはかつて存在しましたが、その後ビタミンでないことが分かり(必須脂肪酸だった!)取り下げられたそうです。

ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。


脂溶性ビタミンは油に溶け、油と共に摂取すると吸収されやすい。脂溶性ビタミンは摂り貯めできるが、過剰症がある。

水溶性ビタミンは水に溶ける。水溶性ビタミンは余計な分が尿で排泄されるため、過剰症はない。また、脂溶性ビタミンは壊れにくいが、水溶性ビタミンは光や熱に弱く壊れやすいため、調理の際は手早く。等の説明をしました。

ここで質問。
①栄養ドリンクが、茶色いビンに入っているのはなぜ?
→光に弱い水溶性ビタミンであるビタミンB群が入っているから。 


②ビタミンCの色、ビタミンB2の色は何色?
→Cは薄いピンク   B2は黄色(CCレモンは着色料で黄色に。栄養ドリンクやオロナミンCなどは栄養素の色。余談で、栄養ドリンクを飲んだ後に出る黄色い尿はビタミンB2の色という話もしました)

③CCレモン(500ml)には、ビタミンCがどのくらい入ってる?
→1400mg(なんと、レモン70個分びっくり

④みんなの年齢で、ビタミンCの食事摂取基準(1日に必要な量)は?
→男女ともに100mg(CCレモンは過剰にビタミンが入っており、大半のビタミンCは尿として排泄される) 

⑤CCレモン(500ml)には、砂糖がどのくらい入ってる?
→50.5g

⑥みんなの年齢で、砂糖の食品群別摂取量の目安(1日に必要な量)は?
→男女ともに10g(CCレモンは5日分の砂糖が入っている)

質問で、ビタミンに関する興味を引き出してから、ビタミンAから順に、ビタミンの働きや欠乏症の話をしました。


栄養ドリンクに入っているビタミンB群は、うなぎにも入っている。だから、「夏バテにはうなぎ」という。だけどうなぎは高い!豚肉は、安くてビタミンB群が豊富。「夏バテには豚肉」でOK。

ビタミンは、生徒たちの興味を惹きやすい内容なので、生活に活かしやすいよう、身近な食品をたくさん例に出しながら話しました。



家庭科は、学んだことを食生活に活かしてこそ意味のある教科です。

将来の自分の身体を守るため、正しい知識と技術を身に付け、健康的な食生活を送って欲しいと思います。