春惜しむ | 能楽師 片山伸吾のblog『冷吟閑酔』

能楽師 片山伸吾のblog『冷吟閑酔』

生粋の京男の片山伸吾が、時には舞台人として、時にはただのおっさんとして、日々の出来事を気ままに綴っていきます。

寒の戻りともいうべきほどの寒さの中、父と同世代の
能楽師、浦田保利氏の告別式が行われました。片山家に
とって浦田家は親戚関係であり、「浦田のおじさん」と
小さいときから呼んでいました。

浦田のおじは、明るさと厳しさを兼ね備えた豪快な方
で、我々にも時には優しく、時には激しく接してくだ
さいました。近年までは本当に元気いっぱいという印象
しかなかっただけに、正直晩年の弱られかたは痛々しく
感じておりました。

昨日の御通夜も今日の告別式も、大勢の方がおじさんと
お別れに来てくださいました。変な言い方ですが、親父
が、また自分が死んだとき、これほどたくさんの方が
お別れに来てくださるのだろうか、そんなことをふと
考えていました。その人間がどれだけ愛されたのか、
どれだけ人に影響を与えたのか、御葬式とはまさにその
バロメーターではないでしょうか。
たとえ憎まれるということも含め、インパクトのある
人生を送ることが、人間大事なことだと改めて実感しま
した。

おじさん、本当にお疲れ様でした。ご家族は勿論の
こと、我々のこともちゃんと見守ってくださいね。

 また一つ 想ひを残し 春惜しむ  伸吾