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では、第10話をどうぞ

▼ ▼ ▼

子供連れが多い休日のショッピングモール。
広場ではヒーローショーがやっていた。
立ち見客が幾重にもステージを取り囲む。
ああ、いつもより子供が多いのかもしれない。
なぜだか僕の目は子供を追ってしまう。

「りょう君は子供好きなんだね」

「え? 別にそんなつもりはないんだけどな」

「この前だって、子供の事考えて喋ってたじゃない」

児童施設建設説明会での事か。
あの時は怒りに任せて好き勝手言ってたな。
あれ以来、近所の視線が変わったし。

「あの時はごめん。美希にも恥かかせちゃったね」

「そんな事ない。かっこ良かったよ」

美希が僕の腕に絡み付く。
下から顔を覗き込んでくるのが可愛くて思わずキスをしそうになった。

「どしたの?」

わざとらしくそんな事を言ってくる。
全部分かってるって顔に出てるぞ。

「ん? 私の顔、変?」

眩しすぎて顔を叛けてしまう。

「何でも、ない」

「ふーん」

笑いを圧し殺すような口調。
彼女には敵わない。

駄菓子屋さんの前で足を止めた。

「ねえねえ。何か買ってかない?」

「良いね」

スナック菓子にゼリー、ガム、ちっちゃいお菓子たちが少し行儀悪く並ぶ。
それもまた駄菓子屋らしいのかもしれない。

お気に入りのスナック菓子。

「納豆味好きなんだよね」

「えー? 普通は明太子とかチーズでしょ」

「美希。これはちゃんと納豆らしい粘りまで再現されてる傑作だよ。味も良い、納豆の臭さもない。最高なんだって」

「はいはい」

納豆味だけかごから戻す美希。
二人の未来が見えた。
そういえば、先輩のデスクにあった家族写真がなくなってたな。

「家に俺の居場所はない」

先輩の言葉が頭の中で再生された。

ははは。

まさか、ね。

僕は納豆味のスナック菓子を手に取り見つめた。
陽気なキャラクターが急に淋しく映る。

「そんなに食べたいなら買えば?」

「良いのか?」

「私、納豆嫌いなんだけど。そんなに好きなら良いよ」

「そっか。初めて聞いたな」

かごにスナックを入れる。
大きく息を吸った。

「なあ」

「何?」

「もっと美希の事知りたい」

「え?」

不思議そうに僕をじっと見る。
こんな呆けた表情も初めて見たかもしれない。

「嫌いな物とか事とか、今気になってる事とか。美希の事あんまり知らなかったから」

「りょう君の事も聞かせてくれたらね」

「もちろん」

「会計すぐに済ませるから帰ろっか」

レジで支払いをしてると後ろに並んでたおばちゃんに話し掛けられた。

「仲良いわねぇ。まだ付き合い始めたばかり?」

「いえ。一年半くらいになるかな。僕たち結婚するですよ」

「あら、良いわね。おばちゃんにもそんな時があったわ」

あはは。
愛想笑いするしかない。
どうすれば良いんだろうか。

「行くよ」

美希に手を引かれる。

「もう。恥ずかしいじゃない」

「結婚するのは事実だろ?」

「知らない人にまでわざわざ言う事でもないじゃない」

「そっか」

「たっぷり聞かせてあげないとね。私がされて嫌な事」

ははは。
今日は大変な日になりそうだ。

でも、それも良いかな。

美希の事たくさん知れるなら。

きっと、もっと、彼女を愛せるはずだから。

「あ、昼御飯の買い物まだじゃない」

家でゆっくりできるのはもう少し先みたいだ。

◆◆◆

はい
まーぶるですよ

とうとう10話目です!

何かいつの間にか
二人の恋愛話になってますね

何でこうなった?

ま、それはそれで
解説のお時間です

テーマは

「好きも嫌いも知る事」

あの人の好きしか知らなかったら

あの人の嫌いしか知らなかったら

相手を本当に知った事にはならない


色んな面があって人は人になる


だから、その人を理解するには

その人の好きな所も嫌いな所も

その人の好きな物も嫌いな物も

知った方が良い

今回はそんなお話でした

ではまた次回

だんだんネタに困ってきた滝汗

どーしよーかなー口笛