鳥の歌2 | カタツムリのR(干し芋)

カタツムリのR(干し芋)

あえて私が障がいをもった方々と農業をやりたいか(かんそう芋編)
あと猫

8月後半から9月は

虫の事で夜な夜なイヤな夢を見る。

 

近隣農家のプレッシャーも強い。

 

我々が最も恐れているのが

ナカジロジタバという蛾の幼虫である。

 

恐ろしく暴食で、大量発生する。

 

水辺の無い、乾いた砂地のここ一帯芋畑では

これらを狙う天敵も少ない。

 

殺虫剤を使えない我々は

この対策に何度も頭を抱えてきた。

 

 

ある時スズメが、畑の上を飛ぶ

小さな虫を捉えた。

 

 

杉田かおるの歌が、頭に流れる。

 

鳥よ〜鳥よ〜鳥達よー

 

筋肉だけの脳みそに電気が走る。

 

この辺では麦間栽培なる

麦の間に芋を並べてつくるやり方がある。

もちろん麦は7月頃に刈り取ってしまう。

 

障壁となる植物を使って、

物理的に侵入を防いだりもしたが、

中々うまくはいかなかった。

 

しかし壁を高く作れば

この蛾はそんなに高くは飛べないという

情報も入れていた。

 

この二つのやり方を上手く合わせれば。

 

狙う時期は7〜9月だ。

心を弾ませ、間に合うように準備した。

 

畑の周りを、ぐるり障壁になる植物

(ソルゴー、クロタラリア)で囲み

その内側や畝間に

早く育つエン麦を仕込んだ。

 

 

スズメは穀物が好きで、麦を倒してこれを食べる。

 

麦に集まったスズメ達は、

ビックリして飛び出す成虫の蛾も食べる。

 

 

狙い通り、スズメは沢山集まった。

 

日光を遮る畝間の麦は、刈り取って敷き藁とし

抑草にと使った。

 

これが上手く行けばこの辺の農業が

変わるかもしれない。

 

 

上手くいくはずだった。

 

芋の葉っぱの上は、鳥のフンだらけとなり

刈らずにおいた麦は、ネズミをよんで

エサや巣の材料となっていた。

 

芋も随分かじられた。

 

スズメが蛾を捉える姿は確認できなかった。

と言うか、蛾は夜に動いていたのだろう。

それとも麦の方がおいしかったのかも知れない。

 

 

わらべの歌が頭に流れた。

 

すずめーの兄弟が電線でー

大きくなったら何になる♪

 

 

大きくなったら

焼き鳥だ。