休日は頻繁にショッピングモールを訪れる。
息子の息抜きにもなるし、私も最近は外出が楽しい。
人が多くてお店が混雑している時は少し疲れるけど。
それでも楽しい。
二人とも時間を忘れてしまうくらいだ。
ただ、家族連れを見るたびに複雑な気持ちになることも事実。
これはある意味仕方のないことだと思う。
そして、ずっとついて回ることでもある。
幸せそうな家族連れを見ると、自分たちが手に入れられなかったものを見せつけられているような気持ちになる。
ただひたすら羨ましい、というか。
胸がギュッとなって寂しく感じる。
だからと言って夫と戻りたいわけではない。
あんな生活には絶対に戻りたくないし記憶を消したいくらいなのに。
手に入れられなかったものへの未練がある。
私の前にいくつかのルートが用意されていて。
その中の一つに元に戻るという選択肢があっても。
絶対に戻らないことは決まっているから。
ただ、そういう家族関係を築けなかった後悔を感じているだけ。
仲良さそうに話しながら買い物したりレストランで食事したり。
そういう経験をしてこなかった。
だから、普通って案外難しいんだなと思っていた。
それなのに、こういった場所ではそれを容易く実現できてしまう人たちがたくさんいる。
きっとこれからも寂しい思いをすることはあるだろう。
息子だって同じように感じているはず。
そう思って申し訳なく感じていたのだが。
お店で並んで商品を見ている時に、満面の笑みで
「ママ、楽しいね!」
と言った。
何だかその言葉に救われた。
少なくとも息子は今の状況で楽しいと言ってくれている。
それなら私も一緒に楽しまなければ損じゃないか。
そんな風に思えた。
私たちは幸せだとか楽しいとかいうハードルがとても低い。
ちょっとしたことでそう感じてしまう。
それはこれまでの生活がとても窮屈で締め付けられるものだったからなのだけれど。
もしかしたら、小さな幸せに気づいて感じられるというのも悪いことではないのかも。
そういう風に思わせてくれた息子には感謝している。