これは書こうか迷ったのだが。

 

嫌な感じではなかったので不思議体験として書いておきたいと思う。

 

学校が終わり、息子はいつも通り駅へと向かった。

 

いつもは駅前は人が多くてザワザワしているのに、その時は少なかったらしい。

 

早歩きだったので、いつもより早く到着。

 

ホームに行ってしまうと座れないと思って、駅前のベンチに腰掛けた。

 

幼い頃はこういう時に時間配分を間違えてしまうことも多く。

 

『まだ大丈夫』と構えていて間に合わなくなることも多かった。

 

でも今の息子なら大丈夫。

 

ちゃんと丁度良い時間を見計らって行動することができる。

 

その日、実は学校を出る時間はいつもよりも遅いくらいだったので。

 

それで間に合わなかったら困ると思って急いだらしいのだ。

 

でも駅についてみたらかなり早く到着していて、不思議に思ったそうだ。

 

体感的にはいつもより5分は遅れてるだろうと思っていたのに。

 

到着して確認したら10分くらい早かった。

 

のんびりベンチに座っているとベビーカーを押した親子が通り過ぎた。

 

次に買い物用のカートを押した年配の方が向こう側のベンチに座った。

 

ぼんやりとそれを眺めていた息子。

 

気づいたら、すぐ傍に男の人が立っていたそうだ。

 

私はその話を聞いた時、『怖っ!!!』と思った。

 

今は不審者が多いし、変な人に絡まれたら大変だと。

 

ただ、その場所は交番の目と鼻の先で、駅からも見えるような開放感のある空間だ。

 

だから安全だと思っていたので、ちょっと焦りながら

 

「それでどうなったの?」

 

と聞いた。

 

 

 

 

息子が言うには、その人はニコニコしながら息子の頭を二回ポンポンとして、

 

「頑張ったね」

 

と言って去って行ったそうだ。

 

知らない人に話しかけられて一瞬驚いた息子だったが。

 

とても優しい雰囲気だったので、嫌な感じはしなかったと教えてくれた。

 

その人は駅の改札の方へと歩いて行った。

 

後ろ姿を見ながら何となく気になった息子。

 

慌ててランドセルを背負って荷物を持ち直し、足早に追いかけた。

 

急いだので声を掛けたら聞こえるくらいの距離まで近づいたそうだ。

 

改札もその人の真後ろを通り、ホームへと続く階段を下りていく姿を確認して後を追った。

 

だけど、階段の前に立ってみたら、その人は跡形もなく消えていた。

 

歩く速度から考えると、すぐ目の前に居ても良いタイミングだったのに。

 

その時は息子も驚いたらしいのだが、不思議と怖くは無かったという。

 

実はうちの父方には視える人が居て。

 

不思議な体験をしたという話もたくさん聞いた。

 

今回の息子のはもしかしたら勘違いかもしれないし。

 

階段を下りたように見えても別の場所に行ったのかもしれない。

 

ただ、誰だったのだろうという気持ちはある。

 

もしかしてご先祖様かな。

 

どちらにしても嫌な感じではなかったと言うので、そこは良かったと思う。