困った。

 

急に息子がカウンセラーさんと話すのが嫌だと言い出した。

 

こちらでも助言をいただいたが、やはり強制してはいけないのだと改めて思った。

 

もしかして男の人が来るかもしれないと警戒しているの?

 

そう思って、

 

「女の人だよ」

 

と伝えても、

 

「それでもイヤ!」

 

とキッパリと断られた。

 

こんなにハッキリと『嫌なものは嫌だ』という意思表示ができるようになったことは素晴らしい。

 

これまでは言いたいことも言えず、グッと飲み込むだけだったのだから。

 

ただ、拒否されるとは思っていなかったので私も悩んだ。

 

このまま私だけ受けた方が良いのだろうか、とか。

 

息子にはそばで聞いていてもらって、私が話すのを見てもらうのはどうだろう、とか。

 

色んな案が出てきては、『でもなぁ~』となる。

 

ここは試しに息子に聞いてみようかと考えて、

 

「ママが話をするのを、○○(息子)は聞いているだけっていうのはどう?」

 

と言ってみた。

 

そうしたら息子は、

 

「聞いてるだけなんて時間がもったいないし………」

 

というもっともらしい理由で拒絶してきた。

 

それで結局、

 

「ママが話をしている間はボクは外で待ってる」

 

と言うので、その線で行こうと先生に連絡を入れた。

 

外で待っているということは、やっぱり参加したくないんだな。

 

先生に電話をしたら、

 

「それは困りましたねぇ。でも○○(息子)君なりに思うところがあってそう言ってると思うので」

 

と諭された。

 

 

 

 

無理強いしそうな雰囲気に見えたのかしら。

 

そんなつもりはないけれど、残念だと思ったのも事実。

 

今回も私一人でも良いというので、来週は学校に行って話をしてくることになった。

 

息子にも早速そのことを伝え、反応をこっそりうかがった。

 

どうやら私が一人で話をするのは良いらしい。

 

「ママ、がんばってね」

 

と言われた。

 

すごく他人事だな。

 

その後は何となくカウンセリングの話をしづらくて、家の中では話題に出していない。

 

だから息子がどう思っているのかがイマイチ分からなかったのだが。

 

夜寝る前のギューの時に抱きしめられながら息子はこうつぶやいた。

 

「ボク、色んなこと聞かれるのイヤなんだよね………」

 

そう言いながら私にしがみつく息子の表情は分からなかった。

 

「そっか。それなら仕方ない」

 

と頭を撫でると、柔らかい笑顔で私を見上げた。

 

このままもう少しだけ様子を見よう。

 

息子にだって心の準備が必要だ。

 

外の人に話すって本当にとても大変なことで。

 

話したからといって良い結果になるわけでもない。

 

かえってそのことで傷つけられたり、話すのが嫌になってしまうことだってある。

 

そうなった時に今の息子では対処できないだろうから、まだ【その時期】ではないということだ。

 

たぶん多少は気にしているであろう息子に、私は

 

「もう良いよ。この話はおしまい。でもママには色んなことを話してね」

 

と伝えた。

 

息子はもう一度私にしがみつき、

 

「うん」

 

と頷いた。