今日は息子と二人でオムライスを食べに行った。
いつもは父の車で移動するので、電車でのお出かけは久しぶりだ。
もっと幼い頃、電車オタクだった息子。
文字も読めない頃から電車の絵本を何時間も眺め、読んでくれとせがんだ。
読んでくれと言われても、絵本のように物語があるわけではない。
読み上げていても何が面白いのかが全く分からなかったのだが。
○○系とか時速○○キロという情報を熱心に聞き入っていた。
そんな息子も少しお兄ちゃんになり、今はそこまで熱狂することはない。
でも、実際に電車に乗っておでかけする時はテンションが上がるようで、いつもより口数も多かった。
社内はずっとガヤガヤしていたのだが、途中で2歳くらいの子どもを連れたお母さんが乗車してきた。
子どもを抱っこしたお母さんは社内の中央の方に移動しようと歩き出したのだが。
子どもが急に『だめっ!』とそり返し、窓の外を見せろと騒ぎ始めた。
日曜日ということもあり、みんなゆったりモードでその様子を眺めている。
私は『我が家にもあんな頃があったなぁ』なんて思いながら見ていた。
すると隣に座っていた息子が大人のようにフッと笑って、
「可愛いね」
と言った。
いや君、ついさっきまで『今日持って行こうと思ってた本がないっ!』ってグズグズしてたよね………?
「どうせ持って行っても読まないでしょ。出かけてる間におばあちゃんが探しておくから」
と母が言っても、『待ってる間に読むの!』って駄々をこねてませんでしたっけ?
いつも出掛ける時に本を一冊持って出るのだが、読んだ試しがない。
荷物になるから置いていくように言うのだが、なんだかこだわりがあるらしく。
持って行くこと自体が大事なようだ。
今朝もそれで散々駄々をこねて、結局出かけるのが少し遅くなってしまった。
まだこういうところもあるんだよね、なんて思ってたのに。
それがずいぶん前の事ではなく数十分前のことなのに。
自分のことは棚に上げて達観した感じで『可愛いね』なんて言う息子を見て笑ってしまった。
実は外食をするのも、私にとっては大きなチャレンジだ。
両親と一緒の時には連れられていくので深く考えないで済むのだが。
息子と二人とか私一人で外食をする時、なぜが途轍もない罪悪感をおぼえる。
自分ばっかりこんな風に過ごすのはダメなんじゃないか。
自分勝手な行動なんじゃないか。
考え出すとモヤモヤが止まらなくなって、せっかくの外食も美味しく感じられない。
しかも、食べ終えてお店を出た後もその罪悪感がずっとつきまとう。
そんな事情もあり、自分からはあえて外食をすることはなかった。
でも、今日は何となく『楽しんでこよう』と思えた。
自由に過ごす時間はこれまでなかったから。
急に何でも自分の意思でできるようになって戸惑っているのもある。
だけど、それ以上に夫に植え付けられた罪悪感からどうしても抜け出せなくて困っている。
息子はそんな様子もなくモリモリ食べ、読まない本を広げたりして楽しそうだった。
こういう目に見えないものが一番厄介なんだよなぁ。