ここまで関係性がこじれる前から感じていたことがある。
それは、夫のプライドが高すぎるということ。
前々から『何故そんなことで怒るの』というようなことがたくさんあった。
予測ができなくて怖かった部分もある。
異様に沸点が低く怒りのポイントも分からないので対処のしようもない。
子供が産まれる前からそんな調子だったので、早くに離れる決断ができなかったことが悔やまれる。
よく『子どもが産まれたら変わってくれるのではないかと考えて………』というケースがあるが。
実際に良い方向に変わったという話を聞いたことがない。
あったとしても非常に稀なことだからだ。
ほとんどが過去の甘い判断を後悔することになるのだと思う。
我が家の場合は、子供が産まれてからモラハラは更に酷くなった。
しかも、それまでは直接的な暴力なんて無かったのに息子には暴力までふるいはじめた。
何に怒るのかなんて未だに分からないけれど。
一つだけ言えるのは、プライドが傷つけられたと感じるといつもより更に攻撃的になるということ。
今回、息子の誕生日プレゼントとして送られてきた携帯はすぐに夫の手元に戻ることになった。
兄がすぐに送り返してくれたからだ。
あわあわと慌てるばかりの私と違い、兄は何てことない感じですぐに返送してくれた。
ここで問題なのが、きっと夫はマックスに近いレベルで怒るだろうということ。
私への訳の分からないプレゼントを返送した時には夫はさめざめと泣いていた。
いつもの手だと分かっているのに罪悪感に苛まれて苦しい気持ちになった。
言葉では言い表せないような重苦しい気分になり、楽しいことをしていても気持ちが沈んだ。
もうあんな思いはしたくない。
社会人になりたての頃は、夫のプライドの高さが格好良く見えたのも事実だ。
自信を持っているというのが伝わってきて、私も社会人としてそんな風になりたいとまで思った。
その頃から些細なことで怒る人だなとは感じていたのだが、まさかモラハラになるなんて。。。
人にも自分にも厳しくしているから何事にもストイックなのだろうと都合良く解釈した私には、何も見えていなかったのだと思う。
今思えば。
そのプライドの高さが異様だった。
普通は聞き流せるようなことでも、夫視点で見ると許せないことがあるらしい。
そしてそのハードルはとても低く、十分に気を付けているつもりでも触れてしまうことがある。
夫のことをよく知っている学生時代からの友人たちは扱いにも慣れているようで、『マズイ』と思った時の対処法をよく心得ている。
万が一怒らせても変に機嫌を取ることなくしばらく放置して、その後何気なく連絡をよこしてきた。
でも、それも離れているからできることだ。
一緒に暮らしていたら放置なんてできない。
毎日顔を合わせて暴言を吐かれ、時には怒鳴られながら過ごさなければならない。
物が飛んできたりご飯を生ごみに捨てられたり、四六時中ため息をつかれてご機嫌伺いをする毎日。
その上息子まで人質に取られてるんだから。
攻撃なんて避けようがない。
負けず嫌いとも違う。
デリケートなのとも違う。
ただひたすら、常に自分は特別でなければならないという雰囲気がある。
だから一番激高するのはないがしろにされた時だ。
ことごとくプレゼントを返送されてしまい、きっと夫はないがしろにされたと思うに違いない。
『そうじゃないよ』という体裁を保ってひとまず攻撃をかわすのが良いのか。
それともこの際だから勇気を出して本心を分かってもらった方が良いのか。
悩むところだ。