息子の友達の家では、今離婚問題に揺れているらしい。
その子は活発で天真爛漫な感じの男の子なのだが、最近元気が無いのだという。
子供の前で直接的な話はしていなくても、敏感に感じ取るものなんだよね。
一人っ子だから、その悩みを共有できるような兄弟も居ない。
従兄弟は遠いところに居るらしく、それほど親しくないと言っていた。
だから、息子はその子の話をよく聞いてあげている。
と言っても、幼い子同士の会話なので実のある内容ではない。
ただただ『離婚になったら嫌だなー』と言っているのを、うんうんと聞いているような感じみたいだ。
両親のどちらも悪い人ではないのかもしれない。
その子は、『お父さんもお母さんもどちらも好き』と言っていて、三人で暮らすことを望んでいる。
でも、実際に離婚問題が出ているわけだから、ご両親の中では別れる方向に傾いているのだろう。
そうなった時には子供も傷ついて自分の内にこもることがある。
でも、自分たちのことでいっぱいいっぱいになっているとそれに気づくのが難しい。
我が家の場合には父親が虐待という絶対にやってはいけないことをやっていたので。
息子の気持ちは初めから決まっていた。
父親を選ぶなんて絶対にあり得ないことだし、これからも選ぶ可能性は限りなくゼロに近い。
だけど、どちらも好きな場合には辛いなー。
どちらを選んだとしても大好きな人と離れ離れになるんだから。
どうなるかが分からない日々の中で、その子は思い悩んで毎日沈んでいるみたいだった。
お母さんはパートをやっていて、子供が家に帰る頃には在宅している。
お父さんも早めの帰宅であることが多く、今でもご飯は三人で食べている。
それを聞いて私はふと思った。
三人で食べるくらいの雰囲気なら、まだ取り返しがつくんじゃないの?と。
でも、ご両親は食べている最中でも、『学校が変わったら嫌か』とか『引っ越しするのをどう思う?』とか色々聞いてくるらしい。
これだけだとただ単に引っ越しをするのではないかと思えるが、『どちらか片方と暮らすとしたら………』という話が出て決定的になった。
そんな風に聞かれてしまうと子どもなりに考え込んでしまうようで、
「ご飯も喉を通らないよ」
と泣きそうになっていたと聞いた。
少し前までは息子も四六時中辛い思いで過ごしてきたからか、
「○○(お友達)君の気持ちがすごくよく分かる」
と言った。
息子の時は常に傍にいてくれる仲間がいた。
一番仲の良い子がとても頼りになるタイプで、色んなシーンで力になってくれたから安心して過ごすことができた。
それに感謝している息子は、今度は自分が誰かを助ける番なのだと感じているみたいだった。
それにしても………。
パートナーと冷静に話し合えるというのは羨ましいな。
我が家の場合は全く話が通じないし、本音を言えるような雰囲気も無い。
万が一自分の意にそわない発言だったら容赦なく追及してきて論破されるのは目に見えている。
お友達の家では根底にきちんと信頼関係があって話し合いができるような関係性が構築されているのだと思う。
これを言ったら『たられば』になっちゃうけど。
もし夫が話し合いのできる人だったら、少しは違っていたかもしれない。