私の今後の人生に夫は要らないのだということを理解できないみたい。

 

思えば、物心ついた頃から私に近寄ってくる男性はみんな自信家で何でも自分の思い通りにしたがる人ばかりだった。

 

出会った頃の夫は違ったけれど、付き合い始めて間もなくそんな側面が出てきた。

 

だから、『この人はもしかしたら危険なんじゃないかな』と不安になったが、私に向ける笑顔を見て大丈夫だと自分に言い聞かせた。

 

それが大きな間違いの始まり。

 

臆病者だからいつも周りとの諍いを避けるためにニコニコしてしまうことが多くて。

 

無理をして合わせることになり本当は酷く疲れることもある。

 

だけど、そうしないと周りとの関係がこじれそうな時もあるから、無用なトラブルを招くぐらいなら我慢しようと思ってしまう。

 

それを見抜いた人たちが寄ってきて、私をコントロールしようとする。

 

夫のように全てをコントロールしようとした人は居なかったけれど。

 

そういう人達から見ると、自分が見捨てたら私は生きて行けないように思えるらしい。

 

離婚しても一人で息子のことを育てて行けないだろうから、きっと自分にところに戻ってくるはず。

 

やり取りをしていると、夫がそういう風に高を括っているのが分かる。

 

でも、本当は私だって一人で何でも決められるし、息子を自分の手で育てていく覚悟もある。

 

だから夫に

 

「一人で大丈夫。ちゃんと一人で育てていける」

 

と伝えたら呆れたように笑った。

 

「無理でしょ」

 

と言った。

 

その言葉には迷いが無くて、本当に心の底からそう思っているのだということが分かった。

 

強く言えば結局は私が言うことを聞くと思い込んでいるから。

 

「できもしないことを言うな!言葉には責任を持たないといけないんだ!」

 

と威圧的に言い放った夫はたぶん知らない。

 

毎日ちゃんと仕事に行って。

 

職場でちゃんと評価されていて。

 

頼りにしてくれている人たちもいるということを。

 

 

 

 

仕事の取引先の人で、私の異変を感じ取って

 

「なんか会ったら相談乗りますよ」

 

と最近頻繁に声を掛けてくる人がいる。

 

職場の人たちにだって上司以外には話していないのに、何で気づいたんだろう。

 

怖い。

 

こういう人達が、ある一定のラインを超えるとどんどん支配してくることを知っている。

 

だから予防線を張って必要以上の会話はしないようにしているのだが、色々と話しかけてくる。

 

何を考えているのかが分からないのが怖い。

 

「遠慮しないで」

 

と言われても、遠慮しているわけではなくて本当に直感的に無理だと感じる。

 

夫との長いモラハラ生活の影響か、同じような人をかぎ分けられるようになった。

 

その人も多分程度の差はあっても夫のようなモラハラな部分がある。

 

そういう人達は、仲良くなった後に私が少しでも歯向かうことを許さないから。

 

出会ってしまったら地獄だ。

 

なぜそんな人たちとばかり関わることになるのかを考えてみたが、自分に自信がないのがいけないのかなと思う。

 

だけど、これは幼い頃からのことなのでそう簡単には変えられない。

 

これまでの人生の中で

 

「無理して合わせなくて良い。そのままで良いんだよ」

 

と言ってくれた人は一人だけ。

 

自分でもそういう風に思えたら、もっと強くなれそうな気がする。