夫は事あるごとに義母と私を比較した。

 

例えば夫の好物の料理を作れば

 

「これ、うちのお母さんが得意なんだよな~。上手いんだよ、本当に」

 

とこれ見よがしに言う。

 

私が作ったこのタイミングでわざわざ言う?

 

母親を大切にしていると言えば聞こえは良いが、私にダメ出しをしているとしか考えられない。

 

口に出して言わないが、『お前はまだまだだな』と言われているようで苦痛だった。

 

離婚の話し合いの時にお互いに相手のどのような所が嫌だったのかを話していて、私はそのことを指摘した。

 

それに対し、夫は驚いたように

 

「えっ、何がダメなの?」

 

と言った。

 

こういうのって、もしかしたら女性と男性とで違うのかな。

 

その前に散々モラハラ行動について指摘した後で、既に夫の機嫌が悪かったのもあると思うのだが、

 

「そんなこと言ったら、もう親のことは一切触れられないよな。少しも褒めたらいけないんだから」

 

と不貞腐れた。

 

「お前は結局うちの親を受け入れられなかったんだよ」

 

とも言った。

 

いや。。。

 

そういうことじゃないんだよ。。。

 

どうせ言っても分かってもらえないとは思っていたけど、やっぱりそう来たか。

 

百歩譲って義母のことを褒めて私のは『もう少し頑張った方が良いよ』となるのまでは許せる。

 

でも、その後に大抵要らぬ一言があってよりショックを受けることになるのだ。

 

「お前さぁ、センスが無いよね」

 

とか

 

「ふつう、こうはならないでしょ」

 

とか言って、最後に

 

「こんなの作って嬉しそう報告されてもさぁ」

 

と嘲笑に似た笑いを見せながらため息をつく。

 

私にしてみれば、好きなものを聞いたら頑張って作ってあげようと思うし、自分なりに上手くできたと思ったら報告したくもなる。

 

もし好みに合わなくても、こんな嫌味を言わずに指摘してくれたら良いのに。

 

結局最後は『お前はうちのお母さんには勝てないんだから』という方向に持って行く。

 

別に勝とうなんて思ってないし、勝負もしていない。

 

ただ、美味しいものを食べて欲しいと思っただけなのに。

 

しかも、

 

「うちのお母さんは最初から上手だった」

 

というけれど、そもそもあなたが食べた時には最初ではないのよ。

 

あなたが産まれる前から作っていて、それを後から初めて食べただけなのよ。

 

 

 

 

そういう話をしている時に義両親が一緒に居ることも多かったのだが、義母は天然なのか

 

「〇〇(夫)はこの料理が好きなのよね~」

 

などと嬉しそうに言う。

 

本当に悪意はないんだと思う。

 

私が経済的に厳しくて何年も同じ服を着ているのを見た時には、

 

「可哀そうに。このお洋服何年目なの?○○(息子)ちゃんが産まれた頃から着てるわよね」

 

と憐みの目を向けられた。

 

そんな経済状況になったのは、そもそも夫が働けないからなのに。

 

そこには触れずに『可哀そう』と連呼されるのはさすがに堪えた。

 

悪気のない義母には何も言うつもりはないが、夫は違う。

 

悪意の塊のような言動ばかりで、その性格がモラハラを作り出しているように感じる。

 

義父は夫と同じ匂いを感じるので、恐らく夫に同調してしまうだろう。

 

そんな人たちと、私は何年もよく過ごしてきたものだとつくづく思った。

 

義母の『可哀そうに』の発言を息子に聞かれてしまった時、

 

「ママ、お洋服買えないの?」

 

と聞かれたのだが、

 

「ううん、違うよ。まだ着られるから、勿体ないから着てるだけだよ」

 

と答えた。

 

せめて息子が心配になるようなことだけは言わないで欲しい。

 

優しさを全く感じられない会話は、本当に心が疲弊する。