実は、私も夫から

 

「クリスマスに何か欲しいものはない?」

 

と言われていた。

 

急にどうしたの?

 

付き合い始めてから今まで、そんなこと聞かれたことも無かったのに。

 

付き合っている頃から、クリスマスを一緒に過ごす権利さえ私には与えられなかった。

 

友達うちでパーティーをしようということになれば、当然のようにそちらを優先する。

 

「彼女も連れてくれば?」

 

と言ってもらえることもあったが、ああいう場って本当に難しい。

 

友人たちの彼女も一緒に来ることになるので、その人たちの顔色も窺わなければならない。

 

好意的に受け入れてくれる人もいれば、そうでない人もいる。

 

中には明らかに敵対心を持っている人も居て、居心地の悪さを感じていた。

 

その彼女たちの友人である女性は、いつの間にかその会合に参加するようになった人で。

 

夫と仲が良く、このブログでも何度か話題に出ている。

 

その人が友達以上恋人未満のようなポジションに居たので、内心は私のことが邪魔だっただろうと思う。

 

そんな感じで、結局は誘われても私の方から断るのが常で、そのたびに

 

「付き合いの悪い奴」

 

と言われていた。

 

結果的に一人で過ごすことになり、『今頃楽しくやってるのかな~』なんて考えながら寂しくなったりもした。

 

普通はクリスマスなんだから彼女の待つ部屋に当日のうちに帰ってきても良さそうなものだが。

 

夫が帰ってくるのは大抵翌日の昼過ぎ。

 

「次の日は映画でも見に行こうか」

 

と約束していたことも反故にされ、揉めることもあった。

 

一事が万事そんな調子なので、私が優先された記憶はほとんどない。

 

本人にしてみたらそんなつもりはなく、自分の気持ちに忠実に行動しただけなのだろうけど。

 

結婚してからも、後からできた他の用事を優先していた。

 

その頃は既に私の方も一緒に過ごすことが苦痛になっていたので、そのこと自体は一向に構わない。

 

息子と二人で過ごす方が何万倍も楽なので、どちらかというと夫が居ないことを期待していた節もある。

 

働けなくなって外出が難しくなった後は、家にいるけれど私たちの邪魔ばかりした。

 

息子が楽しそうにしているのが気に入らないのか、やたらと怒鳴りつける頻度が高かった。

 

それなのに。

 

別居し始めて、急に『プレゼントをくれる』なんて言うものだから、慣れないことに戸惑った。

 

何が裏があるんじゃないかとか、やっと改心したのかな?とか色々考えた。

 

 

 

 

この間、ふとその話を兄としていたら、

 

「そりゃー諦めてないな」

 

と言うので

 

「何を?」

 

と聞いたら

 

「まだ離婚を回避できると思ってるんじゃない?」

 

と言われてゾッとした。

 

まさかここまで来て、まだ諦めていないなんて。

 

そんなことあるんだろうか。

 

だって話し合いの時にハッキリと『離婚する方向』で決まったはずだ。

 

お互いに納得していて、友人という承認もいる。

 

兄が言うには

 

「一縷の望みをかけてるんだよ」

 

ということだが、本当のところは夫にしか分からない。

 

例えばこれが、6年くらい前の息子が幼児だった頃ならやり直せたかもしれない。

 

あの頃はまだモラハラの頻度が少なかったし、息子に対しての当たりも今ほどではなかった。

 

だけど、それからどんどんエスカレートしていって限界を超えてしまった。

 

息子は小学生になって色んなことが分かるようになったから、夫の仕打ちを生涯忘れないだろう。

 

父親に対する信頼や愛情などというものも無くて、ただ『一緒に居ると怖い人』という存在だ。

 

今までも、これからも、その事実は変わらないと思う。

 

夫がもしその事実から目を背けているのなら、きっと離婚することも内心は納得できていないのかなとも思う。