⬇前回のお話はこちら






「もう疲れた」と言ったきり、黙り込むひより


不貞腐れているのではなくて

ただただ疲れていて

何も話したくありませんでした




ちょうどその頃

カーナビがあと少しで目的地に着く旨を告げ、



元彼くんがようやく口を開きました



「これだけはわかってほしいのが、

ひよりのこと、本当にかわいいと思っているし

もっと綺麗になれると思っているから

もったいないと思っている」



……私がそれを分かって何になると言うのだろうか



私たちの会話は何かが決定的にズレていると思うのですが

どこがズレてそうなっているのかは分かりませんでした




彼は私を原石と呼び、努力を求めますが

アラサーのただのOLが美を追求しつくしたところで

それでごはんが食べられるわけでもありません



それなのに

それはただの彼の要望なのに

ひよりに自発的に美を追求させようとするのが

論外すぎるといいますか



たとえば、

彼が私の時間を作るために

ほか弁を差し入れするから、と言うなら

いざしらず


なぜ私が死にものぐるいで働いて稼いだ

わずかばかりのお金を

私が価値を感じないものに対して使わせようとするのかが

まったく分かりませんでした



たしかに、

曲がりなりにも「彼氏がいる」という状況に甘えていて

自分磨きを怠っていると言えばそうですし


また婚活パーティーに通い始めたら

見た目はいちばんにがんばるところだと思います



冷静になった今だからわかることなのですが、


このときは

彼は自分の意見を通すことしか考えていなく

私は彼の意見を変えさせることしか考えていない

状態だったのだと思います



ただこの歳まで独身だったゆえの頑固さでしょうか

お互いにお互いの意見は譲ることもなく



お好み焼き屋さんでも

引き続き話はしましたが

対面だったからか、周りの目があるからか

衝突こそしないものの、

話はずっと平行線のまま



こんなことになるなら

時間のかかるお好み焼きではなくて

もっと手早く食べて解散できるものにすれば

よかったな、と思いました



そうして、

落とし所も見つけられないまま

この日は解散しました





続きます……