⬇前回のお話はこちら
シェアハウスまでの道を線路沿いに歩く
幸いにも駅からハウスまでは一直線だった
街灯はちゃんとあって
横の道をタクシーが次から次へと走っていくので
存外怖くないな……と思った
方向音痴の私なので念の為地図アプリを使い
位置確認はこまめにしていた
ぼんやりと考える
「もう知らん、勝手にしろ」
私は今まで彼にこれほど強く拒絶されたことがなかったので、
ついにお別れか……
今生の別れがLINEは嫌だなぁ……
と思っていた
とりあえず、年末年始が終わったら
話し合いの場を設けてくれるよう言ってみよう
そう思いながら歩いていると
彼からまたLINEが来た
「最後にひとつだけ
記念日だし、仕事終わりそのまま旅行にでも行くか?
って俺は言ったのに
仕事終わりは大変だからやだってひよりが言ったんだろ
だから、もういいやって俺はなった
なのに、飲み会って意味わからん」
まだ言い足りなかったのか……
もう知らんってさっき言ってたやん……
彼は思ったよりも感情的な人間なのだな、と思った
ひ「朝、仕事に行くのにキャリーケースを持っていけと?」
「帰ってから準備して出てもよかっただろ」
ひ「じゃあ、そのときにそう言えばよかった
仕事終わりにそのまま行くって言われたら
そのまま行くしか選択肢がないと思う」
どうやら「そのまま」の意味の取り方で
すれ違いが起こっているようだ
家に寄って荷物を取ってくる時間を含めても
「そのまま」とした彼と
家に寄って荷物を取る時間は含めないのが
「そのまま」であると思ったひより
この人とこんなコミュニケーションエラーをしたのは初めてだった
少ない言葉で通じるという慣れからの思い込みが
そうさせたのだろう
「もう終わったことだからいい」
と彼が言ったので
既読だけ付けて終わりにした
その後、家に着くまで
またLINEが来たりしないだろうか、と
LINEを気にしていたが、再び通知が届くことはなかった
3:15ㅤ帰宅
2:15に出て、3:15か……
1時間歩いて帰れるならやっぱり歩いて帰ってよかった
温かいシャワーを全身に浴びて思い出した
また年末会えないことを伝えるのを忘れていた
明日の朝でいいや
旅行行こうとか言っていたけど
どうせ宿の予約はしていない
それよりも、私には考えなければならないことがあった
つづく……
