⬇前回のお話はこちら
話がしたいと呼び出したくせに
(こっちに来たのは彼の方だが)
なかなか話を始めない彼
窓から流れる景色を見て
ぼーっと時間を潰していると
「ひよりも、婚活してても俺の顔がちらちら浮かんで、
なかなか身が入らなかったんじゃない?」
そう、この人はこういう人だった
なぜかいつも自信満々で
その自己肯定感の高さに圧倒されて
だから、私が気を遣わないで話せたのだ
そうしても、
伝えたい通りに正しく理解して
すました顔でいてくれるから
この人だ、と思ったのだった
いつもながらの元彼節を懐かしく思いながらも
男ってなんで別れた女がいつまでも
自分のことが好きだと思ってるんだろう?
と思った
ひ「え、いや、私明日デート」
「俺がいながら……他の男と会うなんて」
他の男と会うなんて……?
お前が捨てた女じゃないか
ひ「いや、元々予定決まってた
割り込んだのはあなた」
と言うと、小さく笑った
彼が車を路肩に停車させた
「ひよりが決めて、俺をとるか他をとるか」
ひ「結婚が見えない付き合いはしない
私と結婚する気ある?」
「転勤とか、年収とか、家事のこととか
話さないといけないことがあるけど……
じゃなきゃ、こんな夜中にここまで来ない」
ひ「じゃあ、それ話してよ」
「明日会う人はいくつの人?何してる人?」
ひ「それはあなたには関係ない」
「じゃあ、これだけ。何歳?」
ひ「2×歳」
「年下か」
ひ「だから何?」
「ひよりに任せる
他を選ぶか、俺を選ぶか
目を閉じてるから
俺を選ぶならキスをして
しないなら手を叩いて
そしたら、今日で終わり」
ひ「待って、まだその話とやらを聞いてない」
と言うも、無言で目を閉じている彼
ひ「寝たふりしないで、起きて」
少しの沈黙の後、彼が口を開いた
「ひよりは、結婚する気があるか?としか聞いてない
だから、それが付き合うときのひよりの条件
それに俺は答えただろ、後から追加するのはなし」
ひ「それは、絶対譲れないもののひとつがそれなだけで
それが全てとは言ってない」
「あと10秒
そしたら、俺は目を開ける
ひよりがキスしないなら、今日で終わり」
そう言うと
声に出してカウントダウンを始めた
