今日も文七観てくださった方の感想がとても良いのに驚く。

なにが良かったのか今振り返っています。

台詞を完ぺきに入ってない状況で向えた初日の朝、気が狂いそうなほど不安感に襲われた。

9時頃に落ち着きネタ帳を音読したら少し平常心を取り戻した。

兎に角最後まで演じた、間違えたり飛ばしたりしたけど「文七元結の一席でございます」の言葉が言えた。

半年の取り組みの成果があったのなら具体的にどこがどうお客様に伝わったのか、起承転転結の流れは大筋で間違えていない。忘れて立ち止まった間も見せていない。テンションも落としていないと記憶している。半年の稽古が無駄ではなかったと言うのか。

形が出来上がって上演するときでも落とし穴に落ちることがあります。無形の形が功を奏したというのか。

今自分は肉体表現の転換点をこの文七を演ったことで気が付かされようとしているのか、頭ではわからない。

なにか大事なことを無心で演ってやったのだろうか、なかなか思い出せない。

達成感ではない、確かに笑いも各所で出た、終わりの「大好物でございます ありがとうございます これで いやー親子のものが助かります」もちゃんと言えた。この台詞で泣いてくれたお客様もいたそうです。

笑わそうとか泣いてもらおうとか演ってるときはそんなこと考えるゆとりなど全然ありませんでした、只々その人物を夢中で演じようとしただけです。

一生懸命は必要ですがそれだけでは足りません、人間を描きその背景までも想像させる肉体表現の領域は狙ってできるようなものでなく、書かれたその世界のなかで生きている人物に成れたとき現前するものなのでしょう。

自分で振り返ると、粗削りで演技の未熟さも多く分かります、逆に言えばどこをどう直したら良いか解る訳ですから、7月21日の上演に向けて直して行きます。井戸の茶碗も作業始めています。