表現する人と、観ている人が空間と時間を共有して成り立つ舞台。

ここに舞台の最も大きな表現の特長があります。

映画の仕事を1回したことがあります、

カメラの前で何回も演技をOKがでるまで繰り返します。

今、思い出しても、わたしから想えば、

限りない稽古の延長としか思えません。

観客を認識できないのです。

カメラの前での演技術というのは私の経験では無知と言えます。

舞台というのは、お客さんが目の前にいるわけです。

観ている人の前で直接演技するのです。

講演・演説・挨拶など聴いている人が対象ですね、

それと同じように舞台演技も観ている人に向けているわけです。

ここをしっかりつかむことが、舞台役者として重要になります。

ひとつ例を挙げてみましょう、

舞台の上でふたりで演技しています、

台詞のやりとり、動作はふたりの関係で成り立ちます、

それを完ぺきにこなしたとしても、

それだけでは舞台表現としては完全ではありません。

AがBに台詞を投げているとき、観客にも投げなければならないのです。

そして、AはBの反応と観客の反応を瞬時に受け取り演技を続けます。

これこそ、舞台の醍醐味です。