中2の次男ゆっきは、桑名の長島で野球部の試合があるため朝6時に家を出なくてはいけない。
基本この家は朝であろうと夜中であろうと誰かが寝ていようと寝てまいとドッタンバッタンと音を立てることに気を遣わない。
どんなに遅く寝ても朝早くから目覚めさせられる目覚まし時計要らずの家なのだ。
この日も早くから目が覚めた。
朝っぱらからわかに襲われる次女アーノ。
泣くまで襲い続けるわか。
その気持ちは分からなくはない。
しかし、親としては一応一度は止めてみる。
修羅場の2人を放っといて、私はきっと溜まり切っているであろう賞味期限切れの食材の救出に向かった。
台所のシンク下、吊り戸棚から出てくる出てくる、ゆくゆくはゴミ箱行き予定だった食材たち。
ここにいる間にできる限り食べてあげよう。
今夜は手土産に持ってきた肉でBBQの予定だ。
南伊勢にある結構有名な精肉店の肉である。
野菜類が足りないのでダンナとわかと3人で近くのマックスバリューへ買い物に。
子どもたちは私たちに魅力を感じないのか誰1人としてついてこなかった。
そばに宝くじ売り場があり、ロト7を一口ずつ購入することにした。
当たったらキャリーオーバーで
10億円!!
どうしよう。
当たったら。
3千万くらいの家を実家にもダンナの親にも建ててあげて(コレを機に別居にもっていく)、弟夫婦の家のローンも残りを払ってあげて、うちらはキッチンに凝った5千万くらいの家を建てて、アーナとアーノに5千万円ずつ残し(あんまり残すと金銭感覚がおかしくなるから)、老後の資金も1億ほど置いといて(今ダンナと算出して決めた)、あとはどこかに寄付したり、アーナとアーノを受取人に保険をかけたり、などと妄想で頭パンッパンにしながらマックス内をブラブラした。
家に戻ると、わかのダンナそうてんが子どもたちとBBQの準備にとりかかっていた。
まだ明るいうちから開始。
風も強く5月と思えないくらい寒かったが家の中に入るのがもったいなくて最後まで楽しむ。
途中、わかが自分だけ上着を持ってきて我が身を守っていた。
みんなの冷たい視線を気にもとめず、肉が焼けるのを待つわか。
手を汚さずに肉にありつけようとするわかの支持率は下がる一方だ。
腹いっぱい食べて、部屋に移ることに。
部屋に入ると異様なほどテンションが高くなるわか。
何飲む? 何飲む?
体が冷え切っていた私は、「あったかい日本茶かな」と答えた。
はぁ~っ?! 吞むんよ!
分かった、分かった。
手土産に持ってきた、きんこの焼酎【志州隼人】を吞もう。

が、水がない、水道水じゃあかん、と言い出す。
分かった、分かった。
じゃあ、ロックで吞もう。
きんこの甘い香りが鼻に抜ける。
さすがにロックはキツいがちびりちびり吞む。
が、一番張り切っていたわかはほとんど口をつけず、お菓子を食べ出す始末。
コノヤリャ。
夜も更けみんな順番にお風呂に入り、ソファでうたた寝していたアーノを無理矢理起こして風呂に入れる。
部屋に戻るとわかが布団の上でウトウトしている。
寝てしまう前に自分の部屋に行けと何度もしつこく言ったが、移動する気はさらさらないようだ。
うちら家族4人用の、敷き布団4枚、掛け布団3枚(何故?)、毛布4枚、枕4つのところに、堂々と1セット陣取る神経が理解できない。
この様子だと私は掛け布団もなきゃ、枕も毛布もない。
5月とは思えないほどの寒い夜、何か身にまとうものを探すため、あと30分は寝れなかったのである。
ここで凍死してたまるか。
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