5月6日。
志摩へ帰る日。
朝からどんより。
今日の予定は特に何もなし。
めずらしく次男ゆっきはオフデー。
今日帰るのか何時に帰るのかと、しきりに気にしてくれる。
かわいいヤツだ。
長男もこみちは、バンド練習があるとかで朝から出かけてしまう。
別れ際に思いっきりハグしてやろうと思っていたのに、こんな時に限って私のスマホに着信が…。
今のうちにと思ったのか思わなかったのか、ヤツは出かけて行ってしまった。
もちろんアーナとアーノとのハグは忘れずに。
今日は14時にここを出発するから、それまで思い残すことなく有意義に過ごせと子どもたちに話しておく。
この時点で、あと5時間。
アーノは悲しい気持ちで胸いっぱいらしく、ずっと落ち込んでいる。
そんなヒマがあるなら遊べよ。
焦りすぎて何をしたらいいのか分からないらしく、結局3DSで1人遊びを始める。
ふと横を見ると、わかとそうてんが各々ソファで口を開けてガン寝している。
お前たちはそれしかないのか。
私はどう過ごそうか。
そうだ。
ゆっきをイジろう。
羽交い締めにしたり、上に乗ったり、枕にしたり、思う存分若い男の体を堪能した。
嫌がるフリをしながらも、まだ相手してくれる中学2年生。
今度会ったときは真剣に拒否されるかもしれない。
すごい力で跳ね返されるかもしれない。
それを阻止するべく、私も力を蓄えておかねば。
ゆっきに飽きたから、荷物を詰め込み、早めに帰る用意をする。
その気配を感じ取ったわかが目を覚ます。
だが、また寝る。
永遠に寝てろ。
昼ご飯も適当に食べ、あっという間に14時になった。
アーナもアーノも駄々をこねる。
明日からまた学校だぞ。
脅しをかけながら玄関へ向かわせる。
そうてんにもわかにもハグしてもらい、余計に悲しくなる2人。
私ももこみちの分までイヤがるゆっきをハグする。
車に乗り込み、見えなくなるまでお互い手を振り続ける。
ハァ。
終わってしまった。
また日常にもどらなくては。
あれこれ考えていると、後部座席の2人が無言なのに気づいて後ろを振り返る。
2人とも声も出さずにポロポロ涙をこぼして泣いていた。
こんな思いをさせてくれるあの家に感謝しろよ。
自分たちを大切に思ってくれる大人に囲まれて恵まれていることを痛感した旅だっただろう。
このありがたみを忘れずにいろよ。
もちろん私たちも。
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