ここのところ、仕事の応援要請で46km離れた地区まで通うことが何度かある。
この場合、朝7時前に家を出る。
トーゼン子どもたちにも早起きを強制し、学校に行く準備をさせる。
何故ならば、うちの子らは注意散漫すぎて忘れ物が多いからだ。
ランドセルさえ忘れ戻ってくるくらいだ。
放っておくと一体何を忘れるか分からない。
持っていかなければいけないものを固めて置いてあっても忘れる。
コートを着て、学校に持って行くもの全て身につけ、あとは靴を履くのみという形まで整える。
こうまでしないと安心して出かけられやしない。
言っておくが過保護ではない。
信用ならないのだ。
その遠いセンターへの道中は、とてもほのぼののしていて快適なドライブである。
トンネルがいくつもあり急カーブも多いのだが、苦にならない。
ある日、出勤前にダンナに「ガソリン少ないで行きに入れてけよ」と言われた。
だが、まだ大丈夫と判断した私はそのままスタンドに目もくれず、46km先を目指した。
ガムシャラに仕事をこなし家へと向かっているとき、3メモリあったガソリンが一気に1メモリに減っていて、思いっ切りスタンドランプが点灯していることに気付いた。
!!!!!!!!
行きつけのスタンドまでまだある。
どうしたものかと迷っているうちに0メモリになった。
うそーん。
どこでもいいから入ろう。
いつ止まるかいつ止まるかという不安と、止まってしまうのもちょっとオモロいかもという期待感でワキ汗が出てきた。
何とかスタンドを発見!
助かった。
だが、初めて入るスタンドに心臓はバクバクだ。
しかも所持金はかなり少ない。
40代の財布とは思えないくらい。
3060円。
なのに「20リッターお願いします~。すみません、すみません。」とオーダーしてしまった。
足りるのか?
パニクって計算できない。
男性の店員さん2人がフロントガラスを拭いてくれる。
目が合わないように目を泳がせる。
「タオルどうぞ~。」と渡してくれた。
今のスタンドはサービスいいな。
変な汗をかいたから、とりあえず手を肘まで念入りに拭き、耳の後ろを拭こうと横を向いたとき、隣の車の運転手がハンドルやフロントガラスの内側をゴシゴシ拭いているのに気付いた。
!!!!!!!
血の気が引くのが感じた。
このタオル。
ひょっとして。
それ用なのか。
時間よ、戻ってくれ。
口から心臓と胃袋が飛び出てくるのをガマンしながら、なにくわぬ顔で「はりがと~」とタオルを返す。
ありがとうもマトモに言えない。
「3140円でーす」
!!!!!!!
うそーん。
80円足りないっ!
焦る気持ちと恥ずかしい気持ちと、でも何だか笑えてくる気持ちでがんじがらめになりながら、カバンの中を狂ったように漁った。
3日前、じいちゃんから子どもらにとくれた千円札をカバンの底から見つけ出し、無事支払いを済ませた。
ありがとう、ご先祖様。
とにかく急いでその場から逃げ出したい私は、脇目もふらずに猛スピードで走り去ったのである。
みんなにも忠告する。
ガソリンの減りは相当気まぐれだぞ。