娘の左眼はE判定だった。
先生からは摘出しかないと言われた。
でも同時に、まずは温存の方向で治療をしたいとか、他の病院の先生の意見も聞きたいという事があれば紹介します。とも言われた。
でも私たち夫婦の答えは最初から摘出すると決まっていた。
忘れもしない、最初の日。
月曜日に最寄りの眼科で重症だと言われ、紹介状を書いてもらった。
その時に先生から、最悪ガンかも…と、ぽろっと話があった。
私はまったく信じていなかったが、心配性の主人は私からの報告を受けてネットで調べに調べた。
どう見ても、どう考えても網膜芽細胞腫で間違いないと2人でたどり着いた。
もう光を感じていない目。
目の奥が透けている。
どうしてここまで気付いてやれなかったのかという後悔に、2人で涙した。
紹介状を持っての診察は水曜日。
月曜日の夜と火曜日。1日半で出した答え。
それは左眼の摘出。
『命を最優先に。』それが夫婦の共通認識だった。
どんな治療も、やってみなければ分からない。
目を残せるなら残したい。
でも、どうせ残しても視力の回復が望めない、再発転移のリスクが残る。
何より、辛い治療が待っている。
私たち夫婦が出した答えは、
『取って終わりになるのなら、取って終わりにしよう。』
だった。
お陰様で、娘はこの病気に伴う入院と手術の経験が、辛い思い出にはならなかった。
術後の痛みもなく、変な話だが、約1ヶ月に及んだ入院を本当にいい思い出として心に刻む事が出来た。
早く気づいてあげられなかった。という後悔は、きっと一生消えないだろう。
神様、どうして私の娘なのですか⁇という思いも。
かわいいお目目を返して欲しいという思いも。
でも矛盾しているかもしれないが、摘出を選んだ事を後悔はしていない。
きっと、これからもしないと思う。
たとえ、お目目が1つしかなくても、娘は元気に生きている。
私たち夫婦にとっては、これが最善。
きっと将来、娘も私たち夫婦の選択を理解してくれると信じている。