栗形にシトドメが付いていると、チョット高級感が出て、カッコいいですよね。
しかし、私は、自分の使う刀には、栗形にシトドメは付けません。
何故か。
一番嫌なのは、使える下緒が強制される事です。
シトドメを付けると、高級な下緒の角朝織や繁打ちの分厚い物は大変入り難く成ります。
「いろいろ頑張ったけど、入らないので入れてもらえないか。」と言う依頼が来ることも有ります。
たいていの場合は、悪戦苦闘して居れるのですが、過去に1度入ら成ったものが有った様に記憶しています。
当然それだけ入り難いと言う事は、摩擦での傷みが生じる事が有ります。
私は、付けないので成った事が無いのですが、居合仲間の中には、栗形の周辺の糸が摩耗して、切れかけているのを何度か見ました。
この点、シトドメを付けないと、下緒は大変通りやすく、太目の物でも気に入った下緒を何でも好きに付ける事が出来ます。
あえて柔らかい薄い物を使っても良いですし、太目の分厚い下緒でも問題無く使えます。
また、下緒の傷みも少なく、すべりも良くて、帯刀時の動きがスムーズに成ります。
なので私は、シトドメを付けません。
カッコよさを取るか、使い勝手の良さを取るか、付けたい下緒を決めてから、付けるかどうか決めた方が良いかも知れません。
かなり大きく摺り上げられているものの、脇指としては十分な長さがあり、用の力もまだまだ残るお刀で、気軽な日本刀入門として良いかと思います。