上を向いて飛んでいく、蜻蛉を見た事は有りますか?

 

 昨日、柄作成から帰って来た拵を見て、びっくり‼️

 

 蜻蛉の目貫が、上を向いて付けられて居ました。

 

 早速、工房に連絡して、巻き直しをお願いして、送り返した所。

 

 今日連絡があり、当店では、この向きで蜻蛉の目貫を付けてありますとのこと。

 

 確かに、お店のホームページを見ても、他の会社と同じデザインが、上下逆向きに載って居ます。

 

 これって、ちょっと考えられないのですが、結局、これでやらせて貰ってると言い張るので、巻き代が有料でも良いから、撒き直して納入してくれ。

と言う話になりました。

 

 古い名門の居合刀メーカーなのに、これはいくら何でも、ちょっと異常です。

 

 トンボは、勝虫とも言われるように、獲物を狙いながら一直線に飛んでいきます。

 

 獲物は、上では無く、自分達より下にいる小さな虫等で、その為、蜻蛉の目貫は下に向けて獲物を狙うポーズが、柄巻きでは常識です。

 

 このメーカーの柄作成をより、良い物にしようと、現在、理想的な柄の見本と、薄めの糸をこちらから送って、仕上がりの質を向上させる取り組みをして居た所ですが、無駄な努力かもしれないと思い出して来ました。

 

 敢えて、既存の掟を破って、新風を吹き込む考えなら、まだ評価出来るのですが、そうでは無く、何も考えず、おそらくパートの奥さん達が、逆に巻いたのが、定着したと思われるのを、こう言う説もあり、必ずしも間違いでは無いと抗弁するのに、呆れました。

 

 いろんな考え方が有っても良いと私も思います。

 

 しかし、目貫の向きなどには、昔からの厳格な決まりごとが有ります。

 

 それは、それで伝えていかないと、伝統技術が崩れてしまいます。

 

 とょっと寂しいですね・・・

 

(他メーカーのカタログに載っている蜻蛉の図です。このメーカーから供給を受けていたと思うのですが)

 

(これは、全く別なメーカーの物です)

 

(多分、最初の写真のメーカーの商品と同じものですが、この工房だけは、ホームページでも上向きに成っていました)

 

 何故こうなったのか、分かりません。

 

 

 

 

特に何の変哲もないオーソドックスな刀です。

ただ、こういう、身幅・重ね尋常、長さもちょうど二尺四寸と言う様な刀が一番汎用に使用できる、利刀である事が多いのです。

尋常・オーソドックス・普通と言われる物ほど使い易いと思います。

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