今や、絶滅危惧種と言っても良いのが、鞘師等の刀職の人達です。
 

 現在も、70歳代後半から80代の方達が頑張ってこの世界を支えてくれて居ます。
 

 しかも、人数は、毎年の様に減って行ってます。
 

 当店にも、「刀鍛冶に成りたい!」と相談に来た方は居られますが、鞘師に成りたいと相談に来た人は居ません。
 

 一つには、工作代金が安過ぎるのが大きいと思います。それだけで食って行くには安過ぎます。
 

 かく言う当店もその様な価格帯の職人さんにお願いして居るのが実態ですが。

 それでも、美術刀剣の世界だと、有名な職人に成ると、単価が全然違うので食って行けるかもしれませんが、居合用の、実質重視の拵では、食って行くのは、結構苦しくて、この部分を変えないと抜本的な解決は計れないと思います。
 

 刀剣商のみならす、刀を愛する人、全員が考えるべき問題だと思います。
 

 何故なら、この人達が皆居なくなると、刀匠だけが居ても、日本刀は作れないので、刀匠にも未来は、無くなります。
 

 当店は、スタッフに出来るだけ刀職としての修行をして貰って居ます。
 

 これば、当店の拵を作らせる為と言うのでは無く、刀職の修行をしながらでも、ご飯が食べて行ける様に配慮して物です。
 

 徒弟制が基本の伝統芸術の世界で、修行中は、無給が原作です。
 

 ただ、一生懸命に修行を出来る環境を整える為に、修行中でも給与もちゃんと出て、厚生年金等の福利厚生を受けられる様にやっています。
 

 そして、技術を付けたスタッフには、今では弟子も着く様に成りました。

 

 まだまだ安い代金ですが、弟子君が当店の商品を巻いたらバイト代を出しています。

 

 正直、商品としては、まだ使い難いですが、頑張る糧として、バイト代を出します。
 

 どこまで持つか分かりませんが、当店の取り組みは、刀剣界の役に立っていると思って居ます。

 ちょっと長く成りましたが、もう少し話たいのが納期の問題です。
 

 早く出来る職人は、技術が優れているかの様に考えて居られるお客様も居る事について。
全ての人がそうだとは言いません。
 

 しかし、工作に出して直ぐ掛かれると言う事は、仕事を沢山抱えて居ないから掛かれるのです。
 

 では、何故、仕事を沢山抱えて居ないのか?
 

 仕事の出来がよく無いからです。
 

 実際にインターネット等で、有名な研師さんや、他の刀職の方のホームページを見てください。
 

 半年、一年は当たり前の世界です。
 

 更に、当店の場合、刀匠であれ、研師であれ、柄巻師であれ、出来が悪ければ、やり直しをお願いします。
 

 当然やり直しを言われても、仕事が詰まっている職人さんなら、直ぐにやり直す事はし難いのです。
 

 分からない人は、気付かない方も多いと思いますので、そのまま納品してしまっても良いのですが、問題を分かりつつお客様に納品する事は、当店の考えと異なります。
 

 その為、大きく遅れてしまう事もあるのだと言う事を理解して頂けるとありがたいです。
 

 職人さんも人ですから、体調を崩したり、怪我をする事もあります。
 

 すると、月単位で工期が伸びます。
 

 ただ、職人さんは、他人の仕事を途中から引き継ぐのを嫌がる傾向があるので、回復を待って、続けてもらうしかないのです。
 

 この点も理解頂けると助かります。
 

 皆さん刀が好きだから、仕事を依頼されます。
 

 金額や納期について、もう少し理解が進むと有難いです。

 

 

 

 

 

大変軽量で樋鳴りもしっかりします。

とっても扱い易く、刃中の働きも良く見える美しさも有ります。

 

【大坂新刀の三傑】 「一竿子忠綱」 68.1cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!