今回は11/25から今日までに21振りの買取が有りました。
大した事の無い刀も多いのですが、無鑑査刀匠の刀や、抜刀道用の圧巻の身幅のお刀迄、いろんな刀が入ってきました。
それでも明日、また、市場に行って来ます。
私は、刀は大好きです。しかしそれは、床の間や刀箪笥に保管される刀では無く、良く働いて、私の心の支えに成ってくれる様な刀です。
古名刀は美しいです。
しかし、私が、命を預けられると感じた刀は僅かです。
今時、刀で人と斬り合いをする事は、先ず無いと思います。
しかし、先人の守り続けて頂いた、教示を踏みにじられんとする時は、命を懸けても斬り合いを挑みたいと思います。
蚊も、無ゴキブリも殺しませんが、私が自分に殺す事を許しているのは「人間」だけです。
居合は、人との斬り合いの稽古と思って始めた私ですから。
ただ、刀屋さん7年目ですが、バランスや、茎の太さ等、全てに渡って、私を魅了してくれる刀には、出会えませんでした。
以前に注文打ちで作ってもらった、やや厚めの河野貞光刀匠の一振り以来、斬る事に一切の不安を感じさせない刀には目く競り合っていません。(ただ、初心者の頃作ってもらったので、私の身体には少し長いので、最近は使っていません)
私に取って、最良の刀とは、「サイズ、バランスが私に合っていて、この一振りがあれば、他には1振りも無くても良いと言うお刀です。
この7年近い刀屋生活で見つけられなかった物、そしてお客様が、求めてやまない様な刀を求めて行って来ます。
今、畳試斬用の刀は、有る刀匠さんにお願いしています。
更に、私の求める、骨を断つ刀、そして、自分の会の仲間に自信を持って薦められる一振りを求めて、初めての刀匠さんに、一振り注文をお願いしょうと考えています。
私に取って、刀を大切にすると言う事は、そのお刀の能力を私が最大限発揮してやることです。
そのために、仕入れに行きますし、注文打ちもします。
当店は、お刀を買っても、手入れが完全で無いと、販売に出しません。なのでここ10日間で買った刀も、今、整備調整を急いでいます。
明日は、「これこそ自分の刀と思える刀に巡り合えると良いのですが。とりあえず、20振り以上のお刀が補修を加えられながら、アップを待って居ます。
ご期待ください。
金曜日に注文が有って、「月曜日に送金するわ。」と連絡を貰っていたのですが、昨日「やっぱり年やから、やめとくわ。」と連絡を頂いたお刀です。せっかく目釘も作り直して、名義変更の用紙も作成して、梱包も済ませていましたので、「ガクー!」です。
工作から上がって来た刀との格闘のなか、直ぐくれる様に準備したのでショックは大きかったです。
樋鳴り良く成る現代刀なのですが。受け取って、やっぱり思っていたのと違うと言うのでは無く、以前に高く買った刀が安くしか売れなかった事が有るので、という理由で現物も見ずキャンセルに成ったのは、可哀そうな刀です。