今日は定休日で、雑用を片付けていますと、(池田美術は、変則的ですが、日祝と火曜日が定休日に成っています。)大手の刀剣商の方から、「刃引き刀」を置いてませんか?」という照会を頂きました。

 

 どこかの学校で、剣道の指導をされていたお客様から、「引退するので、探して欲しいと頼まれた様です。」

 

 ただ、当店は、「斬れる刀が無いか?」と聞かれると「有ります。」と言えるのですが、わざわざ刃引きした様な刀は有りません。

 

 刃引きした刀をわざわざ探す位なら、真剣で無くても居合刀(模擬刀)で少し金具等に凝って特注する方が良いのでは無いかと思います。

 

 剣道形用の居合刀なら、多少は当ても持ちますから、そういう刀身に、ちょっと気の利いた金具を指定すれば作ってくれると思うのですが。

 

 ご注文頂いた刀を「刃引きして納品して欲しい。」と言われた事は有ります。

 

 また、新たに独立開業する決意を示すものとして、注文打ちで刀を作って欲しいが、奥様とのむ約束で、刃を付けないでお化粧だけして納品した事も有ります。

 

 ただ、最初から刃を引いた刀を探して欲しいと言う話は、初めてです。

 

 刀は、「刃物であり。」人が命を託すための物と思っている私には、「それはもう、刀じゃない。」という気持ちでした。

 

 刃を研いである刀は今も要望のサイズで有りますが、現状で刃引きしている刀は有りません。とお返事しました。

 

 「そうですよね・・・」という先方の反応でした。

 

 半分は、当店の売り上げを助けてやろうとの好意から声をかけて頂いたと思うのですが、これはちょっと抵抗が有りました。

 

 私も、もっと若い頃に、刃引き刀を稽古に使っていた事が有りますが、それは、ヤフオクで刀を買った所が付け焼刃で、硬い部分が無くなっていたのを、後で気付いた物でしたが、この仕事をする様に成って、知り合った刀匠さんに再刃してもらって売ってしまいました。

 

 いろんなお客様がいらっしゃいますね。

 

 

 

 

 

 

長さや、見栄えに拘らなければ、こんな刀でも十分用は足すかと思うのですが、結構長さに拘るお客様は多いです。

でも、斬るよりも形を中心に考えているのならば、こんなに刀でも十分役に立つとは思うのですが、70cm(定寸)の壁は、あまり意味が無いと思うのですけれど。

【南北朝の香り残す古刀・軽量・二筋樋】「備州長船助光」67.8cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!