先日、「せいきぬと、ひときぬって何が違うんや?」と、娘に聞かれました。

 

 何のことかと思っていると、どうやら下緒の正絹と人絹のことだったようです。

(ちなみに、正しくは”しょうけん””じんけん”と呼びます。)

 

こちらは当店のオリジナル下緒の正絹を使っているものです。

(左から、銀煤竹色と紺桔梗色です。)

 

こちらは当店のオリジナル下緒の正絹絹紡糸を使っているものです。

(左から、墨色、葵色、勝色です。)

 

 

こちらは当店のオリジナル下緒(人絹)を使っているものです。

(鮮やかな変わった色が沢山あります。)

 

 

 ご存じの方も多くおられると思いますので、かなりざっくり説明すると、

 

 正絹:蚕から取った絹で作った本物の絹糸のこと

 

 正絹絹紡糸:絹糸の中でも、毛足の短い絹糸を紡いで作った糸のことで(光沢は正絹と同じですが、手触りは、木綿に近い物です。)

 

 人絹:人工的に作った化学繊維のレーヨンです。

 

 という感じです。

(正絹と正絹絹紡糸については過去の記事にも書きました↓)

 

 

 

 そう話すと、「そんなことはどっちでも良いんや」と突っ込まれ、(なんやねんこいつ)

 

 「要するに、買うとしたらどれを選ぶもんなんや」と問われました。

 

 これはもう、完全に好みとしか言いようがないのですが。

 

 ただ、高いから正絹の方が良いとは限りません。

 

 というより、素材だけで決まるものではありません。

 

 当店では幾つかのメーカーの下緒を扱っていますが、同じ正絹でも、触り心地や固さが若干違っていたりします。

 

 更に、材料より織り方によって硬さ、柔らかさは大きく変わります。

 

 仮に、正絹の下緒を購入し、使い心地が良かったとしても、他のメーカーも必ず同じ雰囲気だとは限りません。

 

 要するに、多種多様に存在するので、何とも言えないものなのです。

 

 当店のオリジナル下緒は、基本的に扱いやすさを重視しているため、正絹も人絹でも、どれも柔らかく巻きやすくなっています。

 

 私は、下緒で楽しむのが好きなタイプです。(と言うより、下緒以外に刀で、気分で簡単に変えられるものが有りませんから)

 

 結局の所、難しく考えず、現物を目で見て触って、気に入ったものを購入されるのが一番かと思います。

 

 いろいろ書きましたが、私は基本的に、木綿の繁打ちの下緒が一番お気に入りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なかなか綺麗な刀身です。刃も十分立っていて、試斬にも良さそうです。

長さも定寸十分あり、やや軽めですが、しっかりしています。

時代の拵も味が有り、一振りでオールラウンドに活躍してくれそうな一振りです。

【刀身美しく、斬れ味良し】「備州長船助光」70.9cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!