当店、拵の依頼を多く頂きますが、時代の古い刀の中には、馬上で片手で扱い易い様に、茎の短い物が結構あります。

 

 居合の形や、片手での試斬を行う場合には、何も問題は無いと思うのですが、両手での試斬を行う場合には、少し不安が出ます。

 

 今までの所、柄折れしたと言う話は聞きませんので、そう簡単には、折れない様ですが。

 

 大東亜戦争時の軍刀の補修で、柄折れが特に多かったと記録が、資料として残っています。

 

 当店でも、多くの軍刀を売買してきましたが、伝家の宝刀を軍刀に仕込んだものには、茎の短い物も良く見かけます。

 

 軍刀用に作られた刀身は、比較的、長めの物が多いですが、中には、やや短めの物も有ります。

 

 それでも、極限状態で、畳表の試斬や、竹試斬以上に、60㎏~70㎏ある、人間を斬るのは、やはり、柄に大きな負担がかかるのでしょうね。

 

 片手打ちの刀に、8寸以上の柄を付けると、左手の部分は、内側に茎が無い状態と成る事が有ります。

 

 それを本気で堅物試斬に使った場合、少し不安な気持ちが過ぎります。

 

 私は、手が、女性の様に細いので、柄は大変細く作ってもらいます。

 

 なので、重い刀で、茎が短い時は、桜やナラ材等の堅木を使ってもらう事が有ります。

 

 当店の取引先では、上撰の職人さんしか受けてくれませんが、周りの仲間に怪我をさせてしまう様な事故が起こるのは、流石に嫌なので、少し手間賃が上がっても、そうしてもらいます。

 

 ま、そこまでしなければ成らない、無茶な斬りはしない方が良いのだとは思いますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長さもそこそこ、実用的な長さが有り、刃もしっかり立っています。

保存鑑定も付いた、れっきとした文化財ですが、

いまだ、用の力十分で、試斬による消耗はもったいないですが、拵を付けて、居合の形に使うのは有りかと思います。

まだまだ、刀本来の力を持つしっかりとした古刀です。

【保存刀剣】「無銘」三原 68.2cm 、鑑賞に、拵を付けて居合に!!!