写真のお刀、本日お客様が拵の相談に来られて、持ち込まれたものです。
ヤフオクで落としたそうですが、鞘はガタガタ、柄も縁と頭が別物で取って付けた様で、他の刀から持ってきて合わせたのがバレバレです。
おまけに、ハバキがこの刀のために作られた物では無いのが一見して分かるほど、サイズが違います。
正直、状態が極めて悪いです。
結局、できるだけ安く使える状態にするため、手直しでは無く、拵え全体を作り直すことになりました。
少しのアンバランスはしょうがないとして、金具は、現在ついているものを流用して、拵を作成する形で作業を進めることでお客様とお話しをしました。
金具代はかからないとしても、拵を作り直すと、それなりの金額が必要になります。
それに、一応、ハバキも少しは効いて居るので、そのまま使う事にしましたが、本当なら、作り直す必要が有りますから、付属している拵、ホントに飾りでしかありません。
ちょっと酷いな〜と思います。
刀もこれでは可愛そうに思います。
持ち込まれたお客様は、自分の所に来たのも何かの縁と仰って、出来るだけ大事にしてあげたいと言う事で、拵作成を引き受けました。
オーソドックスながら、ちゃんと使用できる、まともな姿に生まれ変わらせます。
そうしないと、刀も生きません。
良い持ち主に買われて幸せな刀ですね。
ノークレーム、ノーリターンだから、何を売ってもいいって訳でも無い気がしますが、とりあえず、お客様の元に戻る時は、生まれ変わった、しっかりした姿でお渡ししたいと思います。
定寸有るものの、樋無で、鞘を払って936gと大変軽量です。
刃も良く立っているので、試斬にも使用出来ると思います。
拵は、作って4～50年と言った所でしょうか。
鞘の細さが何とも印象的です。
ややくすんだ感じですが、柄周りのガタツキも無く、直ぐに稽古に使えると思います。
軽い刀をお探しの方には、大変良いかと思います。
