刀関係の長い物を送り合うのは、私の様に刀を仕事にしている所では、日常の作業で道具も揃っているので、良いのですが、一般のお客様からすれば、「どうやって送ったらよいか。」「宅急便に持っていったら断られた」と言った話を良く聞きます。

 

(皆さんの苦労の跡です)

 

 確かに私も、以前は結構困っていました。

 

 まず、刀を入れるのにちょうどよい箱が売っていないのです。

 

 ゴルフクラブ用の箱は、販売されていたので、それを買ったり、工作を居合刀メーカー系の会社に出すと、大抵、そこのまともな箱に入って返ってくるので、それを使いまわしたり、関市の部材メーカーに偶に顔を出して、その時に、車一杯乗るだけの刀用の箱を買ってきたりして試行錯誤していました。

 

 現在は、同じ市内の包装品問メーカーに特注で刀用の段ボールを作ってもらったので、安心して容器を確保する事が出来る様に成りました。

 

(基本的には、送料の分かれ目と成る、140㎝を基本に作成しました。卸してもらっていた時より安くてしっかりしています)

 

 包装は、基本的にプチプチで巻いて、更に新聞紙で巻いて、箱にいっぱいいっぱい詰まって、中で揺れない様にして、発送しています。

 

 

 最期はガムテープでしっかり箱を固定して発送です。

 

 次に、何処を使って発送するかですが、うちの場合は、基本的に郵便局を使っています。

 

 郵便局の場合、「日本刀」としっかり書いても、引き受けてくれます。

 

 国の法律に反しない物は基本的に引き受けるのが、元はお役所であった郵便局の特徴です。

 

 例えば、品名欄に、「日本刀 大阪府 54328号」と付記しても問題ありません。

 

(ここまで書いて送ると、後でのトラブルを軽減できます)

 

 宅急便のヤマト運輸は、「日本刀」と書くと引き受けてくれません。

 

 皆さん結構、宅急便で送って来られるのですが、品名は、「漆工芸品」や「掛け軸」等と別の物の品名を書かれています。

 

 基本的に日本刀は扱ってくれません。

 

 大手では、佐川急便も有ると思いますが、「日本刀」でも引き受けはしてくれますが、金額を聞かれて、セキュリティ扱いにする事を勧められます。

 

 以前大口で毎日集荷の話をした時も、やりたく無さそうな感じでした。

 

 私も、以前は物流の仕事をしていたので、業者さんの気持ちも理解は出来ます。

 

 日本刀は、他の荷物と一緒に積み合わせるには、縦長で積みにくい為、1台のトラックに載せられる積載効率の悪い荷物です。

 

 その上、全てが1点物に成ります。

 

 万が一問題が生じた時、一番もめ易い、厄介な荷物なのです。

 

 出来れば郵便局でも断りたいはずです。

 

 でも、そう言えないのが郵便局です。

 

 私は堂々と「日本刀」と表記して全く問題の無い「ゆうパック」を使っています。

 

 郵便局を使う理由は、もう一つ。

 

 荷物を運ぶのに使用する容器(郵便局ではパレットと呼び、他の運送業者ではカーゴと言われます)が、郵便局だけは少しサイズが小さいのです。

 

 郵便局以外の運送屋さん関係の業者さんは、JIS規格の比較的大きなカーゴを使用します。

 

 郵便局は、元が郵便に特化した規格なので独自サイズ成ります。

 

 刀の場合、取り扱い注意と成って居ようと居ないとに関わらず、小さな容器には、入り難いので、そういう、変わったサイズの物ばかり集めて別に容器を作らざるを得ません。

 

 それだけに、送付途中で荷物が壊れる率は、他の宅配便より明らかに低いのです。

 

 配達の部分では、郵便局は、委託単価が非常に安いので、「やや大丈夫かな?」と思う配達員の人も多いのですが、途中の輸送段階では、取り扱い注意もかなり徹底される上、荷物を入れる容器のサイズの関係で、荷物が壊れにくいので、かなり安心して任せられます。

 

 大手通信教育の会社が、付録として付けたおもちゃ類の破損率を細かく調査した時も、郵便局の破損率の低さはダントツでした。

 

  これ以外にも、各社によって、良い面、悪い面がそれぞれありますが、刀を送る時、少し参考にしてもらうと良いかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身幅・重ね共に、大変厚く、やや先重重心で、試斬になかなか良いかと思います。

特に先幅、先重ねが非常に厚いです。

厚みが有るだけでなく、非常に健全な事も、使える刀として良いかと思います。

【大坂鍛冶の祖】「無銘」河内守國助 初代 71.2cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!