今日、河野貞光刀匠のお刀をアップしました。

凡そ、当店らしからぬ高額で出しました。

悩んだ末、仕入れ価格と私の中での貞光刀の価値観で値段を付けてみました。

居合を始める前、就職して直ぐに日本刀を購入しました。

私の小さい頃は、チャンバラごっこや戦争ごっこと言う遊びが中心だったので、チャンバラ好きな子供が、大人に成って、就職をして少しの小銭を持った頃に、刀が欲しいと思って日本刀を購入しました。

二尺四寸五分強で、反り2.4㎝の太刀の様な刀でした。

夜中に山の竹林に軽トラで乗り付け、竹を切り出して来たり、古い茣蓙を巻いて、実家の離れのお風呂に漬けたりして斬っていました。

当時は、斬り台も持ってはいませんでしたから、竹は鋸で、一節ごとに斬って、古い机の上に置いただけの状態で竹や畳表を斬っていました。

40に成った頃、職場が労働基準監督署に何度も入られ、時間無制限状態だった職場が、時間を過ぎて残れない状態に成ったので、時間を持て余して、居合を始めました。

初めての流派の大会の試斬の部で、初めて刀を曲げてしまいました。

斬ったものの、刀が鞘に入らず、最初は何が起きたか、分からない状態でした。

ただ、支部は異なりますが、太い竹をバンバン斬っていく、先生のパワフルな居合に憧れ、「居合は初心者だけど、斬る事だけなら、キャリア10年以上で、簡単に負けてたまるか。」

で、強い刀探しの旅が始まりました。

最初に四朗國光一門の刀を買いましたが、畳表は殆ど抵抗無く剃刀の様に斬れたものの、竹を斬ると、小さな刃毀れを起こしました。

当時、刃肉の事など知る由も無く、鉄質の問題と思って、その刀は直ぐに使用しなくなり、重ねがそこそこありしっかりとした感じの軍刀を購入しました。

これは、竹に対して素晴らしい斬れ味と、信じがたい頑丈さを見せてくれました。

正に、使う為の刀、ここに有りと言った感じでした。しかし、65.8㎝と短いので、「ちょっとかっこ付かないなー」という見た目を気にしていました。

それでも、一年以上は使ったでしょうか。

その頃、一世を風靡していた刀が、某剣術の流派の宗家が販売していた、「石切丸」と銘を切られた、河野貞光刀匠の一振りでした。

当時でも80万円程していたと思います。

欲しかったけれど、結婚と同時に家を新築して、ローンの返済に追われていた私には、高根の華でした。

欲しい欲しいと思いつつ、過ごしていましたが、その宗家より少し安い価格で貞光刀匠の注文打ちを受けている刀剣商を見つけました。

当時は、石切丸には本物と贋作があると、まことしやかに噂に成る様な刀でした。

僅かな安さでも、「これは買い」と思った私は、その刀剣商に頼んで、貞光刀匠に合わせてもらう事にしました。(続く・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某抜刀道の館長から、まとめて仕入れた中の一振り、長さから、注文打ちと思われます。

重ねは、古名刀の如く薄く当時の「石切丸」等と同じようなサイズですが、先幅の広さ等から、使用した形跡は無い様です。

写真もまだ、未完成の状態ですが、とりあえず、アップしてみました。

貞光刀匠がコンクールや美術様に打った刀と、斬り用に打った刀は、私の見た物では、肌の感じが変わりますが、身幅といい、地肌といい、斬る為の貞光刀と判断して、価格も自分の貞光刀の斬れ味を考えて設定しました。最近、滅多に見ない、レア物です。

もう少ししたら、久しぶりに自分で写真撮って出し直ししてもいいかと思います。

【希少・平成の今虎徹】大業物「河野貞光」 71.5cm 、鑑賞に・拵を付けて居合・試斬刀として!!!