刀の、使い易い、使い難いを考える上で、大きな要素の1つとして、反りがあると思います。

 

 使うための刀の場合、反りはどのくらいが1番適当なのでしょうか。

 

 これは、居合であるか、剣術であるか、流派は何処か、個人の体格等で様々意見の分かれるところであろうかと思います。

 

 私の場合は、刀を注文打ちで発注する時は、全て18ミリから20ミリの間に指定しています。(お客様から、別なサイズの指定が有れば、勿論それに従いますが)

 

 普段使っている刀も、大体18ミリ前後と言うのが中心になります。

 

 高名な中村泰三郎先生は、著書の中で、「20ミリから22ミリが適当である。」と言うことを言われています。

 

 反りの強さによって、刀の使い心地はやはり大きく変わります。

 

 私が最初に買ったお刀は、反りが、2.4ミリありました。

 

 買った頃は、何も分からずに買いましたので、それで全く普通だと思っておりました。

 

 しかしながら、一般的な18ミリから20ミリ程度の刀を買って感じた事は、粗利の強い刀は、止め太刀の時に少しどちらかに切っ先が傾こうとする傾向があり独特のクセが出ると言うことでした。

 

 片手できる時などにはその反りの大きさが適度に良いように感じられたのですが、居合を始めて、止め太刀と言う概念が入って来ると、少し癖を感じる様になりました。

 

 なぜか、うちの長女が、この刀を気にいっていて、残して欲しいと言うので、今も売らずに手元に置いております。

 

 小さい頃に刀と一緒に撮った写真がいくつかあるのでそれが忘れられないのかもしれません。

 

 それはさておき、2.4ミリの反りがあれば、使うのにそれなりの癖を抑える様な使い方となります。

 

 それが、良いとか悪いとか言うのではなく、それに応じた癖が出ると言うことです。

 

 反りが非常に少ない刀は、振ったりする分にはさほど癖はありませんが、居合で使う場合、体格にもよりますが、抜き付けは少しやり難く成ります。

 

 また、斬る時には、少し斬り難さを感じることがあります。

 

 これも、その人の斬り方にもよるでしょうが。

 

 ただ、大きな傾向として、反りによって、こんな特性があると考えて頂けば、良いのではないかと考えています。

 

 こんな事を、いろいろ考えていると、オーソドックスなところで、19ミリ前後のお刀を選んでおけば、あまり癖も気にならず、斬る時のやり易さも問題が少なく、無難な所では無いかと思います。

 

 あくまで私見ではありますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この長さで、これだけ反りが有ると、かなり反って感じます。

当初は太刀として作られた可能性の強いお刀です。

茎は典型的な片手打ちの姿をしています。

少し疵は有るものの、綺麗な刀身で鑑賞に良いと思われます。

【腰反りの太刀姿】「次廣」 64.5cm 、鑑賞に!!!