お客様に拵の注文や特注居合刀の注文を受けて感じる事ですが、お客様の中には、真剣は居合刀の違いについてあまり、御存じで無い方が多いように思います。
 そこで、今日は、その違いについて少し書いて見たいと思います。
 基本的な構造、目釘穴の開いた刀身と柄を目釘で固定している。
 この事については、真剣も居合刀も基本的には同じです。
 ただ、作り方は全く違います。
 真剣の場合は、先ず、目釘穴をあけた刀身があり、それに合わせて、柄木を削り柄を作成し刀身の目釘穴に合わせる形で、目釘穴を開けて柄を作成します。
 目釘も、多くの場合は、刺す、先の方が、元の方より、少し細めに成っています。
 時に柄から刀身を抜いて、手入れをする事も考えられている為、柄が外せる前提で作られています。
 これに対して、居合刀の場合は、刀身を柄木に差し込み、柄と刀身が一体と成った状態で、刀身ごと、ドリルで穴を開け、ややきつめの目釘をそこに打ち込み、目釘の両端を切って、刀身に固定します。
 居合刀は、基本的に分解される事を前提としていません。
 なので、目釘も斜めに刺して、より抜けづらくされています。(一部例外的な居合刀も有りますが)
 基本的に、茎の手入れをすると言った発想は有りません。
 なのではめ殺しで問題無いのです。なまじ分解などされたら、柄に緩みが生じたりして危険な為、大抵のメーカーの注意書きには、「分解しない様に」と言う事が書かれてあります。
 しかし、居合刀は完全に分解不可かと言うと、そうとも言い切れません。
 メーカーのカタログやホームページには、修理の料金等が載せられています。
 分解できないと成り立たない話です。
 厳密に言えば、居合刀も分解できます。
 ただ、非常に分解しにくく、する前提では作られていないと言うだけです。
 そういう前提なので目釘も、軽くコンコン叩いた程度ではなかなか外れません。
 かなり強い力を加えないと抜けてくれません。
 また、再度、刀身を戻すのもかなりしっかり叩き込まねばならず、目釘穴の位置がほんの僅かでもずれれば、元の目釘は入りません。
 十分な道具類が無い状態で行うと、余分な修理費が掛かってしまう可能性が大です。
 そもそもの前提が違う事を理解してください。

居合刀は差し裏も、目釘と目釘穴は、完全にぴったりしています。






練武刀池田美術モデルです。
当店の場合は、厚口刀身のみ取り扱い、コストパフォーマンスの高い即納モデルとして、出来る限り、常時在庫を持って販売していますが、時間を頂いて、受注後に作成する場合、鍔や目貫、柄糸の色等も変えて作成する事が可能です。
追加料金の要らない範囲で、少し凝りたい方はご相談下さい。

練武刀 池田美術モデル(入門者から高段者まで、十分使用可)