【 進まぬ遺品整理 】
「先生、もう疲れ果てて。
亡くなった義母の遺品整理が大変で。」
というFさんは60代。
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「義母の部屋の押し入れから
大量の俳句短冊が出てきて。
捨てていいものかどうか、困ります。
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主人に許可をもらうか。
でも、こちらで勝手に処分して
後から義姉に何か言われるのも。」
と、肉体より精神疲労もつらそうです。
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ペインクリニックは、
体の痛みを扱いますが、
心と体は表裏一体。
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痛みは心理的影響を大きく受けるので、
外来では、ほぼ人生相談のような
いろいろなご相談を受けることがあります。
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「Fさん。
私はね、”もの”にも寿命があると思うの。
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確かにその短冊は
まだ原型をとどめているけれど。
その所有者の義母さんは亡くなった。
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そして、
それを必要とする人がいなければ、
その物も、その人と一緒に
寿命を終えたんじゃないですか。」
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すると、
Fさんの目に安堵が広がった。
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「そうですね。
その所有者が亡くなったのだから、
その物も役目を終えたんですね。」
と、しみじみ仰った。
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高齢社会。
煩雑な遺品整理に忙殺され、
心労を抱える人は少なくない。
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亡くなった方ではなく
残された人々との人間関係から
遺品整理で悩んでしまう人もいるのだ。
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自分の体調が優れない時。
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遺品整理がしんどい時は、
整理を担当した人が
ものに踏ん切りをつけること。
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整理を担当しない人の顔色を伺うよりも、
自分の心をスッキリさせることから
始めてみましょう。
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残された人が残したいものは残す、
要らないと感じたものは
”もの”の寿命だと一緒に天国へ送る。
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たとえ遅々としか進まぬ時でも。
気持ちの負担が減って、
体も楽になるものです。
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■富永喜代プロフィール
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医療法人TMC(Tominaga Medical Communication)理事長。
富永ペインクリニック院長。医学博士。産業医。
465gの赤ちゃんから104歳の高齢者、
FIFA日本サッカー代表などのプロアスリート選手など、
(通常1日2人のところ)1日平均12人、
2万人超の臨床麻酔実績を持つ。
YouTube 総再生回数 5900万回突破。
チャンネル登録者数 26万人。
SNS総フォロワー数 42万人。
経済産業省
『平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業』を
委託されるなど、痛み最新医療のリーダーとして
注目されている。
確かな腕とユニークなキャラクターが人気を呼び、
NHK「おはよう日本」
TBS「中居正広の金曜日のスマたちへ」、
などのテレビ出演多数。
肩こり改善メソッドの処女作
「こりトレ」(文藝春秋)は10万部など、
累計 98 万部の著者である。