何年も医者をやっていると、
医療の常識を覆す『奇跡の人』と呼べる
ケースに出会うことがあります。
Uさんは、
すい臓がんの60代女性。
Uさんの手術の麻酔担当をしたのは、
私がまだ駆け出しの3年目でしたから、
今から20年以上前のことです。
難しい手術を終え、
長期間ICUに滞在されました。
何度も何度も生死の境を潜り抜け、
ご家族にも
厳しい説明を繰り返し行いました。
何とか退院される時には
本当によかったなあ、と思う反面、
『Uさんが楽しみにしていたお祭りも、
今年が最後かもしれない。』と
心の中で思っていました。
当時、
私が所属していた大学の麻酔科では、
２，３年ごとに転勤を繰り返すのが慣例でした。
Uさんの手術を行った病院からも
２年で転勤しました。
その後も、
いくつも病院の転勤を繰り返し、
いつの間にかUさんの事も忘れ去っていました。
長引く手術や緊急手術に対応するため、
麻酔科医は家に帰っても
なかなか緊張をほぐすことができません。
特に疲れのたまった週末には、
何もする気が起こりません。
そこで金曜日の夜は、
『探偵ナイトスクープ』を観て
頭を休めることを習慣にしていました。
『探偵ナイトスクープ』は、
金曜深夜に流れる、
一般視聴者からの投稿をネタに繰り広げられる
バラエティ番組です。
その夜も、一人ぼうっと
『探偵ナイトスクープ』を観ていました。
すると、テレビから
懐かしい訛りが聞こえてきました。
「ん、ん、んん～～～～ん！？
これって、あのUさん！！！」
私の目は、
画面にくぎ付けになりました。
なんと75歳を無事に迎えた元気なUさんが、
番組に出演しているではありませんか。
Uさんはとても特徴的なお名前だったので
間違いありません。
「Uさん、あの時は
ご家族もあきらめていたし。
這うようにしてご帰宅されたのに。」と、
明るい番組内容とは全く別に、
私の目には涙があふれました。
10年ぶりのテレビを通しての再会。
長いこと医者をやっていると、
嬉しいサプライズがあるものです。
写真は、道後公園『ひかりの実』。
今週 金曜日まで（1月17日）。
お早目に。
『富永喜代』
愛媛県松山市『富永ペインクリニック』理事長。
2万人声の臨床麻酔実績を持つ麻酔科専門医。
著書は30万部越え。
緩和医療から尊厳死まで、痛みで苦しまない人生を導きたい。
Tiktok 再生回数は、1650万回を突破！
・なぜ、麻酔科医になったのか？
https://ameblo.jp/katakori-zutuu/entry-11325961472.html?frm=theme
https://www.instagram.com/tominaga_kiyo/
https://www.facebook.com/kiyo.tominaga
・Twitterアカウント
https://mobile.twitter.com/tominaga_kiyo
・Ticktok おかげさまで 再生数 １６５０万回突破！
https://www.tiktok.com/@kiyotominaga
You Tube 女医JOYプロジェクト
https://www.youtube.com/watch…
チャンネル登録
よろしくお願いします！
https://www.youtube.com/channel/UCGleoVs-W9noAkQThlA7I9g?view_as=subscriber
【麻薬】危険 死期が早まる？女医が教える医療用麻薬の授業
https://youtu.be/3JXUS9vHzxs
1月11日 扶桑社様より新刊を発売しました。
『ヘバーデン結節を自力で防ぐ』
日本で初のヘバーデン結節外来から。
ヘバーデン結節の方、リウマチの方、手指の痛み、痺れが辛い方の
セルフケア本です。