富永喜代が語る!ペインクリニック科は、なぜ見かけないの? | 痛みで苦しまない人生を医学の力で導く痛み改善ドクター富永喜代のブログ

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富永ペインクリニック院長。医学博士。2万人の臨床麻酔実績を持つ麻酔科医。おはよう日本、金スマなど出演多数。著書は95万部超。YouTube『女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室』チャンネル登録者数24万人、総再生回数5000万回。SNSフォロワー35万人。

痛みで苦しまない人生を医学で導く痛み改善ドクター 富永喜代です。


ペインクリニックは、痛みを専門に治療する病院ですが、


よく聞かれる質問があります。



「ペインクリニック科は、どこにありますか?


 見かけたことがないのですが。。。」というご質問です。


ペインクリニック科という看板を皆さん見たことがない、とおっしゃるのです。







日本のペインクリニックは


1962年、東京大学医学部麻酔科外来から歴史の幕を開けました。


あまり知られていませんが、


日本の痛み治療専門外来、ペインクリニックは、


すでに50年以上の歴史を持っています。




ペインとは、痛みという意味で、


クリニックとは、診療所という意味です。


歴史もあり、そして保険治療が受けられる病院ですから、


ペインクリニックを標榜している診療所を


町で見かけてもよさそうなものです。






内科、外科、産婦人科など、


お医者さんが看板に表記する専門科を標榜科といいます。


なぜ「ペインクリニック科」を標榜した


診療科を見かけないのでしょうか?






お医者さんが名乗っていい標榜診療科は、


厚生労働省の管轄で決められています。


平成20年4月1日から、


広告可能な標榜科は、以下のルールで表記するようになりました。


(1)「内科」と「外科」は単独で広告可能。


(2)「内科」「外科」は、以下の4つの属性と組み合わせて広告できる。


①身体や臓器の名称


②患者の年齢、性別等の特性


③診療方法の名称


④患者の症状、疾患の名称


(3)「内科」「外科」との組み合わせが難しい診療科は単独で広告可能。


  また、前述(2)の4つの属性と組み合わせることもできる。






このルールにのっとると、


ペインクリニックは【属性③診療方法の名称】に該当します。


ですから、


「内科(ペインクリニック)」などの形が求められ、


 ペインクリニック科での単独標榜はできません。


具体的には


・内科(ペインクリニック)


・外科(ペインクリニック)


・疼痛緩和内科


・整形外科(ペインクリニック)


などの標榜となります。




しかし、ペインクリニックを専門とする医師の多くは


その歴史からも麻酔科から専門的に移行した人が多く、


標榜科としては、


単独科である「麻酔科」を標榜する方が多いようです。





皆さんは、


「麻酔科」という看板は見かけたことはありませんか?


麻酔科というと、手術の時にお世話になるお医者さんという


イメージが強いのですが、


町で見かける多くの麻酔科の場合は、


治療内容はきっとペインクリニックでしょう。







ペインクリニック科という標榜科は存在しません。


もし、あなたが「痛み専門の治療を受けたいな」と思われたら、


電話帳やインターネットで、


あなたの街の「麻酔科」を検索されると


ペインクリニック治療を受けられる可能性が上がります。