痛みで苦しまない人生を医学で導く痛み改善ドクター 富永喜代です。
ペインクリニックは、痛みを専門に治療する病院ですが、
よく聞かれる質問があります。
「ペインクリニック科は、どこにありますか?
見かけたことがないのですが。。。」というご質問です。
ペインクリニック科という看板を皆さん見たことがない、とおっしゃるのです。
日本のペインクリニックは
1962年、東京大学医学部麻酔科外来から歴史の幕を開けました。
あまり知られていませんが、
日本の痛み治療専門外来、ペインクリニックは、
すでに50年以上の歴史を持っています。
ペインとは、痛みという意味で、
クリニックとは、診療所という意味です。
歴史もあり、そして保険治療が受けられる病院ですから、
ペインクリニックを標榜している診療所を
町で見かけてもよさそうなものです。
内科、外科、産婦人科など、
お医者さんが看板に表記する専門科を標榜科といいます。
なぜ「ペインクリニック科」を標榜した
診療科を見かけないのでしょうか?
お医者さんが名乗っていい標榜診療科は、
厚生労働省の管轄で決められています。
平成20年4月1日から、
広告可能な標榜科は、以下のルールで表記するようになりました。
(1)「内科」と「外科」は単独で広告可能。
(2)「内科」「外科」は、以下の4つの属性と組み合わせて広告できる。
①身体や臓器の名称
②患者の年齢、性別等の特性
③診療方法の名称
④患者の症状、疾患の名称
(3)「内科」「外科」との組み合わせが難しい診療科は単独で広告可能。
また、前述(2)の4つの属性と組み合わせることもできる。
このルールにのっとると、
ペインクリニックは【属性③診療方法の名称】に該当します。
ですから、
「内科(ペインクリニック)」などの形が求められ、
ペインクリニック科での単独標榜はできません。
具体的には
・内科(ペインクリニック)
・外科(ペインクリニック)
・疼痛緩和内科
・整形外科(ペインクリニック)
などの標榜となります。
しかし、ペインクリニックを専門とする医師の多くは
その歴史からも麻酔科から専門的に移行した人が多く、
標榜科としては、
単独科である「麻酔科」を標榜する方が多いようです。
皆さんは、
「麻酔科」という看板は見かけたことはありませんか?
麻酔科というと、手術の時にお世話になるお医者さんという
イメージが強いのですが、
町で見かける多くの麻酔科の場合は、
治療内容はきっとペインクリニックでしょう。
ペインクリニック科という標榜科は存在しません。
もし、あなたが「痛み専門の治療を受けたいな」と思われたら、
電話帳やインターネットで、
あなたの街の「麻酔科」を検索されると
ペインクリニック治療を受けられる可能性が上がります。